最近は終身雇用が崩れつつあり、かつ会社で社員を教育してくれる機会も滅法減りました。
そのため、会社の正社員であってもうかうかしていると、時代の流れに乗れなかった会社は社員を乗せたまま沈没することにもなりかねない恐ろしい時代になりました。
そこで、会社員であっても自らのお金で自らに自己投資し、自分自身で武器を揃え、トレーニングし、自らを常に高めていかないと、今のような高速下りエスカレーターを頑張って駆け上がっている我々はあっという間に転げ落ちてしまうことになります。
そんな中でUSCPA(米国公認会計士)の資格を目指す人も多いようです。
私もUSCPAを持っていますが、個人的にはUSCPAを取得してよかったと思います。
私はUSCPAを取得して人生ががらりと変わりました。
その話は別の記事にしているのでここでは触れませUSCPAの年収について語ってみたいと思います。
私の経験では、USCPA取得後の年収は、「雨のち晴れ」といった感じです。
【結論】USCPAの年収は幅が広い。年収を因数分解して年収アップ要素を探る。
USCPAを取得しようか迷っている方の中には、USCPAを取得することでどれくらい年収がアップするのか気になっている方もいると思います。
気持ちは分かりますが、USCPA取得後の年収を決めるのは結構難しいです。
ただ、日本人の平均以上の年収にはなると思います。
しかし、いわゆる高額収入(2,000万円以上でしょうか)になれるかどうかは様々な要素が絡むので単純には計算できないかもしれません。
そこで、私が勝手に考えたUSCPAの年収を決める公式は下記です。
国籍 × 場所(国・地域) × 業界 × 業種 × 企業規模(企業ランク) × 職位(年齢)=年収
国籍ばかりはどうしようもないですね。
私は海外に出て初めて知りましたが、日本人は給料が低いです。
サラリーマンの公認会計士でもせいぜい2,000万円~3,000万円くらいじゃないでしょうか。
私が聞いたところによると、シンガポールでは公認会計士のパートナークラスで、普通に6,000万円くらいもらっているとか聞きました。
アメリカなんかはもっと高いんでしょうね。
というか日本が低すぎるんですよ。
デフレだから仕方ないとか言ってる人もいますけど、
そうだとしてもここ数十年でまったく給料が上がっていないのは先進国では日本くらいです。
この点からも日本人が給料を上げるのは本当に大変なことです。
私が働いているフィリピンの例では、公認会計士で30歳前後であっても、給料は月給7万円程度です。
フィリピンではこれでも給料はかなり高い方です。
このように、やはり国籍というのは給料が決まる上でとても大きなファンクターと言えます。
実際に働く場所も大事です。
まずは国。
発展途上国よりも先進国で働いた方が給料は高い気がします。
それは物価水準の違いも影響しています。
つまり、ある程度もらわないと生活すらできないからです。
生活できないような給料で働いてくれる労働者はそうはいません。
そこで、現地の物価水準が給与水準に大きく影響します。
国の中でも、田舎より都会の方が給料が高くなります。
これも物価水準が影響しています。
このような給料が高い国や地域は、優秀な方がみんな狙っていくため、必然的に給料水準が高くなります。
USCPAは「英語+会計+IT+ビジネス法務」などビジネスを行う上で必要となる知識は相当詰め込んでありますから、基本的には日本以外でも働くチャンスはあります。
私もUSCPAに合格後転職をしましたが、転職する時の転職先は日本ではなく、海外で働く機会を探していました。
そこでは、私が今働いているフィリピンを始め、ベトナム、香港、インド、インドネシア、シンガポールなど様々な国での転職先がありました。
USCPAは英語能力の証明書代わりにもなるので、日本人だからといって日本だけが働く場所ではありませんから、もっと広い視野で転職先は探してみてもいいと思います。
長くなるので、今回は、国籍、国、地域という軸で給与水準が変わるという話でした。
【理由】USCPAを活かせる場所は幅が広い。自分の得意分野で活かす方法を考える。
USCPAの年収には様々な変数が絡んでいることはなんとなく分かって頂けたと思います。
これも全てUSCPAの特徴が影響しているからです。
USCPAは、ビジネスの基礎となる項目を、英語で学んでいるから、なんです。
英語を話せる、英語で情報が取れる、英語を書ける、というだけで日本人の中では結構レアな存在でしょう。
英語が扱えるだけでも結構なことですが、それに加えてビジネスの基礎が、しかも専門的なことが分かっているともなれば、それなりに価値のある人材になれるわけです。
USCPAはそもそもアメリカの公認会計士の資格ですから、アメリカ人のために、公認会計士として専門職で働く方を対象にした資格です。
アメリカの資格なのですから、本来はアメリカ人を対象にしているわけです。
外国人を対象にした英語教材、英語資格ではないのです。
アメリカの中で専門家として責任を持って活動するためのライセンスを与えるのですからUSCPAを取得することはそれなりにハードルは高いのです。
そんなアメリカ人のための資格を外国人にも開放しただけのことです。
世界中にアメリカのルールを知っている人がいれば、アメリカにとってはビジネスしやすくなりますし、アメリカでビジネスをしている外国人にもためになることでしょう。
本来はUSCPAは公認会計士の資格なので会計の専門家として活躍が期待されるわけですが、なによりUSCPAは会計だけではなく、ビジネスに必要な幅広い知識を身に付けているので、USCPAで学んだ事は応用範囲が広いのです。
だから、会計の専門家として活躍するはずが、実は他の分野でも十分活躍できる土俵があるのです。
従って、USCPAを取得したから公認会計士として会計の専門家にならなければならないわけではなく、USCPAがビジネスの基礎を英語で勉強していることを考えれば、USCPAを持って会計職以外、会計業界以外を目指すことは全然アリなんです。
それであれば、自分が得意なこと、得意な分野でUSCPAを活かしていく方法を考えてみた方がいいと思います。
会計以外の分野でUSCPAを持っている人はまだ少ないでしょうから、まだまだチャンスが広がっていると思いますよ。
【私の場合】経理経験約10年+USCPA+マネジメント経験で底上げはできた
私もUSCPAを持っています。
USCPA取得後転職し、フィリピンでコンサルティング会社で働いています。
私は転職する前は、事業会社の経理部で約10年、経理の実務経験を積みました。
転職前はUSCPAとしての専門家の経験値はありませんでした。
しかし、USCPAを持っているからという理由で転職できました。
今のコンサルティング会社は専門家ばかりなので、公認会計士もしくは税理士のライセンスを持っていないとそもそも入社できなかったからです。
そういう意味では、USCPAを持っていないと入社すらできなかった会社なので、USCPAを持っていて本当によかったです。
ただし、やっぱりUSCPAとして未経験であることには変わりません。
周りが専門家なのに私だけ素人でしたから、正直給料は前職からは下がりましたね。
私はUSCPAとしての経験がほしかったのと、給料よりもやりがいを求めていたので受け入れられましたが、家族からは猛抗議でしたね(涙)。
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そこから頑張ってUSCPAとして経験値を貯めていきました。
小さな会社なので、なんでも自分でやらないといけませんでした。
USCPAとして専門的知識を得ようと思って入ったのですが、しばらくすると、どうやら経営的なことにも興味があるらしいということで、会社の管理的な業務も任せられるようになりました。
私が入社した時は社員は10人もいなかったと思いますが、そこから少しずつクライアントが増えていき、その度に人を採用していったら、今では40名くらいになりました。
ここまでくると、自分で実務をやるよりは実務は従業員にできるだけ任せて、自分は意志決定だけをできるような体制にすることで、効率よく業務が回るようにしていきました。
そんなマネジメントの仕事を数年間やっているうちに、給料は上がっていきましたね。
給料上げたければマネジメント職に就くしかない
結局、実務をやっているうちは給料は大して上がらないです。
なぜなら自分の時間は24時間しかないから。
どんなにすごいアウトプットがあっても、使える時間が限られているため、自分でできることなんて大したことありません。
それに私は優秀ではないので、スマートに仕事ができないため、結構時間がかかります。
それなら私より優秀な人に頑張ってもらって、私は意思決定とその意思決定に責任を持つだけを役割にした方が結果的にうまくいくようになりました。
そうすると、実務をやっている人が優秀なので会社の成績も上がります。
これで私の給料も上がりました。
ですから、給料を上げたければ、実務を卒業して、いかに多くの人を動かして仕事ができるか、これに掛かっていると思います。
大会社の社長さんの給料が高いのも頷けます。
比べる対象として恐れ多いですが、日本航空の稲盛さんは非常にいいモデルと思います。
ご存じの通り、稲盛さんは京セラを立ち上げた方で、飛行機のことは全くの素人でした。
それでも全日空という超大企業を立て直してしまったのは記憶に新しいところです。
会社という限られた箱の中で年収を上げるには、自分が扱える人数を増やしていくほかに道はありません。
人をたくさん抱えるためには、それなりに幅広い知見がなければ務まりません。そこで、USCPAで学んだ幅広い知識が活きてくるわけです。
まとめ:USCPAは土台でしかない。USCPAへの過度な期待は禁物。でも活かせる道は多い。
USCPAを取得したら、さぞ大きな給料をもらえるのだろうと思っていた方には残念なお知らせだったかもしれません。
しかし、これが現実です。
しかし、USCPAを持っていることできちんとした土台ができ、そこから大きく飛躍する可能性は高いのです。
土台ということは、その上に乗せるものは何でもよく、自分の好きな道に進んでいけばきっとどこかでUSCPAで学んだ事が役人立つことでしょう。
しかも、USCPAを維持するにはCPEといって継続的に勉強しなければなりませんから、必然と知識もアップデートされていきます。
ですから、USCPAには過度に期待はしないまでも、大きく活かせる道はありますから、ぜひあきらめず最後まで頑張ってほしいと思います!
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