USCPAのフィリピンライフ
他資格との比較

USCPA vs その他財務会計資格徹底比較!【実体験付き】

何か資格を取得したいと考えているけど、資格は意味ないとか役に立たないとか言われることがあります。しかし、資格がないと仕事に就けない場合もあります。USCPA(米国公認会計士)は賛否両論の多い誤解されやすい資格の一つですが、USCPAとよく比較される財務会計資格を並べて今後の資格選びの参考にしてもらえればと思います。

USCPAとよく比較される資格を並べてみた

USCPAと比較されがちな資格を並べてみます。

米国公認会計士(USCPA)
日本国公認会計士(JCPA)
日本国税理士(CPTA)
日商簿記検定
国際会計検定(BATIC)
経営学修士(MBA)※資格ではなく学位。
米国公認管理会計士(CMA)
米国税理士(EA)

資格にはそれぞれ目的がある。自分の目的に合う資格を選ぼう

転職市場や資格ビジネスが広がっていることから、資格の呪縛に囚われている空気を感じています。なにか資格を取らないと不安だ、資格がないと就職や転職ができない、とにかく資格を取得したい、といった心の叫び声が聞こえてきます。しかし、資格というのはそれぞれ目的を持って作られています。ですから、その目的に自分の意向が合致するならぜひその資格を目指すべきでしょうし、自分の意向とズレているなら無理してその資格を取得することもないでしょう。

今回ご紹介した資格に関連して、その一例を紹介します。もし自分のやりたいこと、目指す方向と一致するならぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

絶対監査!何が何でも監査業務をやりたい人

日本で監査業務を経験したいなら公認会計士の資格を取得するしかありません。なぜなら監査業務は公認会計士の独占業務だからです。つまり、監査業務は公認会計士にしか許されていない仕事なのです。

参考ウェブサイト

ということで、会計監査をやりたい人は、公認会計士の資格を目指してください。
これは医者の医療免許や車の運転免許のようなものなので、いくら監査が上手でも、どれだけドライビングテクニックが優れていても、免許証がなければ違法なのです。これは典型的な独占業務ですね。

日本の税務命!日本の税務一本で生計を立てたい人

日本で税務一本で生活していきたいと考えている人は日本の税理士の資格を取得してください。例えば、以下の業務は税理士にしか認められていません。

税務代理業務・・・会社の代わりに税務署と交渉する仕事です。

税務書類の作成・・・会社の代わりに税務署に提出する書類を作成する仕事です。

税務相談・・・税務申告書の作成方法や会社の個別具体的な税金に関する相談に乗る仕事です。会社の税務に関するお困りごとに対するお悩み相談も税理士の独占業務なんですね。

参考ウェブサイト

外資系の会社で働きたい、海外で働きたい、日本以外で仕事したい人

日本の公認会計士と税理士は日本の国家資格なので、日本で働く際にとても威力を発揮するものです。当たり前と言えば当たり前ですが、日本で働かないのであれば、資格という意味では日本で発揮できる威力に比べれば相当下がってしまいます。というのも、日本の公認会計士や税理士は「日本語での資格」だからです。日本語で受験する資格は海外の人からすればどんな内容の試験なのかが厳密には分からないので、その難易度やその妥当性を判断できないのです。

ということで、海外で働きたい、日本の中でもバリバリの外資系の会社で働きたいという人はUSCPAがオススメです。USCPAはアメリカの公認会計士の資格です。日本では「米国公認会計士」と呼ばれています。公認会計士の資格なので会計や税務はもちろんのこと、英語でビジネスで必要な知識を一通り勉強しますから一石二鳥にも三鳥にもなる資格です。USCPAは全米統一試験ではありますが、日本と違ってライセンスは州ごとに発行されます。つまり、そのライセンス発行を受けた州であれば日本の公認会計士のように公認会計士の独占業務を行うことができるということです。ちなみに、全米統一試験なので、要件を満たせば合格実績のトランスファーは可能で、例えばニューヨーク州で合格してから、その合格実績をハワイ州に移すといったことが可能です。USCPAの試験に合格後、自分が働く州のライセンスを取得するようにできるということです。ちなみに、USCPAは独立も可能です。自分で事務所が開設できます。USCPAはワールドワイドでつぶしが効く資格なので、日本以外の海外で働く道も開けます。場合によってはその国のCPAになることも可能です。それが「相互承認制度(MRA:Mutual Recognition Agreements)」です。詳細は省きますが、USCPAであればカナダ、オーストラリア、ニュージーランドのCPAにもなれてしまうという優れものです。これは日本の公認会計士にはない特徴です。これもすべてアメリカンパワー(?)と試験が英語であるから各国も試験内容をきちんと把握できるから承認しやすいということはあるでしょう。

USCPAについて詳しく知りたい方はこちらのウェブサイトからどうぞ。
USCPAコース

その他よく比較される資格について

その他にもよく比較される資格はあります。上述の資格の準備として利用するのがいいでしょう。

日商簿記検定・・・いわゆる簿記の資格です。会計業界では最初に学習する分野ですね。検定試験なので、技術力を測定する試験です。会計資格のすべての基礎となる試験なので、基礎力養成には必須です。

国際会計検定・・・BATICですね。簿記を英語で勉強できる試験です。こちらも検定試験なので、技術力のレベルを測定するものです。簿記を勉強したあとに、USCPAの勉強を始まる前の中間体として位置付けてもらえればと思います。とはいえ、簿記の焼き直しなので、英語が得意な方、USCPAで勉強できる方はあえてチャレンジする必要はありません。

経営学修士・・・いわゆるMBAですね。こちらは資格というよりは学位です。簡単に言えば院卒になるということです。MBAというとなんだかすごそうですが、大学院なのでピンキリです。ハーバード大学やMITなどに入学できればいいですが、数千万円は覚悟しなければなりません。あくまで勉強するだけなので実践で活かせなければ机上の空論です。肩書としては威力を発揮しますが、そこまでこだわらないならUSCPAで十分な気はします。MBAの効果は勉強した内容よりも、そこで一緒に勉強した仲間の存在であると言われています。そういう意味では、将来のビジネス仲間を見つけたいという目的であればMBAはありですね。

米国公認管理会計士・・・USCMAです。USCPAは監査業務をメインとした資格ですが、USCMAはその名の通り「管理会計」をメインとした資格なので、会社の内部での管理を行うプロフェッショナルといった位置付けです。具体的には、会社の予算管理とか原価管理など会社の業績向上のために管理面でバックアップすることを求められています。USCPAでも管理会計は学びますが、USCMAの方がより深く勉強する必要があります。USCPAのような独占業務はありませんので、USCPAを取得した後に、管理会計をより深くしっかり学びたい人はUSCPA取得後に目指してみてもいいかもしれません。経営管理、経営企画などで重宝されるスキルですね。

米国税理士・・・EAと呼ばれます。アメリカの税理士資格と言われています。EAはアメリカで最も古い公的資格です。USCPAは州ごとのライセンス発行でしたが、EAは全米統一の資格なので、一度取得してしまえばどこの州でもEAとして働くことができます。ただし、EAができることはUSCPAもできるので、わざわざEAを取得する意味はあまりないこともあり、保有している人は全世界でも48,000人しかいないらしいです(ウィキペディアより)。私はUSCPAとEAのダブルライセンスですが、EAは税務を深く勉強できるので、税務を強化したい方はUSCPA取得後にプラスアルファとして取得してみてもいいかと思います。私も実務で税務を扱うことが多く、一度税務をきちんと体系的に学習したかったというのがEAを目指した動機です。

参考ウェブサイト

どの資格もしっくりこない・・・。資格を無理に取る必要はないのは本当?

色々紹介してきましたが、どの資格も微妙だなあとか、どれを取得したらいいかわからない・・・。そういう人も少なくないと思います。その場合はなにを目指すかを先に決めた方がいいと思います。結局冒頭の話に戻りますが、自分の目指す方向があって、そこを目指す上ではなにが必要かを見極め、そこに上述の資格がある、もしくはその資格を取得することで近道になるということであれば、そのタイミングで初めて目指せばいいと思うのです。その方が目標がぶれないし、なにより絶対取ってやる!という気合が入りますね。そしてなにより目標が明確であるほど挫折しにくいです。

皆さんも想像できる通り、資格取得というのはそれなりに時間がかかるものです。予備校が宣伝しているほど簡単に取れるものではありません。上述の資格を目指す方であればほとんどの方は社会人でしょうから、自分で時間をコントロールすることも難しい方ばかりでしょう。サービス残業や急な飲み会、休日の付き合いゴルフ、子育てなどなど忙しくない方なんて聞いたことありません。そんな日常生活の中で資格試験のために時間を絞り出し、それを年単位で継続することは並大抵のことではありません。誘惑が多い今の世の中で修行僧(?)のような強靭な精神力で勉強を継続するためには、その動機が不可欠です。ですから、中途半端に勉強を始めるくらいなら、どうしても取得したい衝動に駆られたときに初めて目指せばいいと思うのです。その方が効率的に勉強できるでしょうし、なにより挫折する確率が格段に下がります。

資格を取らなきゃ!と焦っている方はぜひ今一度「なんでその資格がほしいんだったっけ?」ということを自問してみてください。

【参考】私の資格取得履歴[現在はUSCPAとしてフィリピンで活動中]

参考までに私の資格取得履歴を書いておきます。まだまだ更新したいなあとは思っています。

日商簿記3級

日商簿記2級

BATIC

USCPA

EA

さて次は?

ちなみに、USCPA取得後、私はフィリピンに移住しました。フィリピンではコンサルタントとしてフィリピン国内への投資やビジネスについての相談業務をメインに生計を立てています。相談だけでなく、業務そのものを代行することもあります。例えば、記帳業務、税務申告書作成業務、給与計算、内部監査などUSCPAで勉強した内容をフル動員して実践で応用しています。

USCPAを取得していなかったらこれらの業務はできなかったということを考えると、USCPAを取得して人生が変わりましたね。全員にオススメできるわけではないですが、人生を変えてみたいという方は一回くらいはチャレンジしてみてもいいかもしれませんよ。チャレンジしてみてやっぱり自分に合わないとか、ちょっと違うなと思ったらまた元に戻ればいいですし、日本は戻れるようにできてますから安心してください。

【海外移住】USCPA取得をきっかけにフィリピンに移住してみたら人生が変わった

USCPAとして突然退職し、フィリピンへ移住した理由【覚悟はいります】

【実録】USCPAを取得する前と取得した後の変化を振り返ってみると・・・

【まとめ】資格は道具。資格取得がゴールにならないようにキャリアを考えよう

いかがでしたでしょうか。USCPAと比較される資格について検討してみましたが、ご自身の目的をバッチリサポートしてくれるような資格が見つかればいいですね。何回も言いますが、資格は手段です。要するに目的を達成するための道具にすぎません。道具に自分が使われないよう、資格取得がゴールにならないようにキャリア形成を考えていきましょう。

とはいえ、海外で働くならUSCPAは強力な武器になります。
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ABOUT ME
ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!