USCPAのフィリピンライフ
Before/After

【実録】USCPAを取得する前と取得した後の変化を振り返ってみると・・・

USCPAは米国公認会計士のことです。USCPAを取得することで何が得られるのか、今と何が変わるのか気になっている方も多いと思います。USCPAという資格は聞いたことはあるけれど、USCPAを取得する意味について悩まれている方に、私が実際にUSCPAを取得する前後で感じたことを書きます。USCPA取得後のキャリアが気になる方は参考にしてください。

USCPAに取得前後でこんなに変わった![USCPAのBefore & After]

私の経歴を含めて、USCPA取得の前後をまとめるとこんな感じです。

Before

上場企業の商社に勤務
しがない経理要員
決算で意識を失う(上場企業は四半期決算のため常に忙しい)
東証の30日開示で疲弊
内部統制(J-SOX)対応で疲弊
社内の飲み会で疲弊
休日のゴルフコンペで疲弊
会社の部品感が半端ない(替えが効いてしまう世界)

After

海外勤務
専門家として活躍
時間が自由になる(暇という意味ではない)
忙しいけど、時間のコントロールは自分次第
クライアントが尽きない
周りから慕われるようになる
自分に情報が集まる
仲間が集まる
友達ができる(情報目当ての人も含む)
クライアントから事業の引継ぎを打診される

CPAを取得したことで自分の身に起こった具体的な変化

いかがでしょうか。上述の内容が私に起きた具体的な変化でした。
細かく挙げればきりがないですが、ポイントは以下だと思っています。

自由度が上がったことによって時間のコントロールが可能になった
スキルの掛け算で優位な立場を築くことができた

以下で順番に解説します。

自由度が上がったことによって時間のコントロールが可能になった

サラリーマンでありながら自分で時間のコントロールができるようになったことはなによりもよかったことです。自由度が上がった理由は転職先の会社がまだ若かったために上場企業のような社内ルールがきちんと整備されていなかったことと、専門家集団の会社だったので成果主義であったということが大きいです。しかし、自由というのは逆に言えば責任とセットなので、成果や結果を出さなければならないというプレッシャーはあるものの、成果を出せるならその過程にはそれほどこだわらないという視点から、自分で時間をコントロールできるようになったことで、かなり気持ち的には楽になった気がします。

つまりは時間給ではなく、成果を出すために働くという働き方のために、朝から仕事をしなければならないということでもない代わりに、仕事が終わらなければ夜中でも休日でも仕事をしなければならないという意味では、それが嫌な人もいるでしょう。しかし、目標が明確なために私にとっては誰かからやらされる仕事よりも、自分でやりたい仕事をしたいので、外から見れば大変だと思われがちですが、私にはそう思えませんでした。

特に最初の頃はスタッフのミスが多く、しかし提出期限を厳守しなければならないために、夜中の3時にスタッフの仕事が終わり、その後に私がチェックして朝5時にクライアントに成果物を提出するといったこともありました。これを誰かにやらされていたらきっと耐えられなかったでしょう。誰に言われることもなく、クライアントと決めていた提出期限に間に合わせなければならないという責任感のみで自分を突き動かしていただけなので、体はつらかったですが、気持ち的にはつらくなかったです。

やはり、仕事というのは受動的に取り組んでいる仕事なのか、能動的に取り組んでいる仕事なのかの違いで、これほどまでに心理的な影響が違うものなのかと思い知らされた瞬間でした。

皆さんの中にも、やらされる仕事でつらい思いをしている人もたくさんいることでしょう。そういう方にはぜひ自分から能動的に取り組む仕事にシフトして仕事を楽しむというマインドを持ってほしいと思います。本来仕事は誰かのためになる素晴らしいものなのですから、その価値を提供する本人が楽しんでできないならそれをもらった人は残念ですよね。

スキルの掛け算で優位な立場を築くことができた

仕事は本来誰かの悩みを解消するために行うものです。その悩みに対して解決できる人がたくさんいればいるほどその人たち同士での競争が生まれます。同じスキル、同じ能力であれば、価格競争になります。労働市場で言えば、賃金です。簡単に言えば給料が安い人の方が採用されるということです。仕事が10個ある中で、それをこなせる能力を持っている人が100人いれば、単純に言えば100人のうち、給料が安い順に10人が採用されるということです。これが経済原理です。ところが、仕事が10個あるうち、それをこなせる人が3人しかいなかったらどうなるでしょうか。当然ながら会社間で取り合いになります。そうなれば、より高いオファーを出した会社が採用できることになりますから、賃金は上がります。
なるほど、それなら誰も身に付けていない能力を身に付ければいいんだな。

そう思ったあなたはおしいですが、ちょっと違います。

最初に述べたように、仕事でのスキルというのはあくまで誰かの悩みを解決する手段でなければなりません。レアなスキルであればよいというわけではなく、市場があるスキルなのかどうかということが大切です。市場がないスキルを持っていても誰も興味を持ってくれません。市場がある・ないという意味は、需要があるかどうかということです。つまり、そのスキルを必要としている人がたくさんいるのかどうかです。

そういう意味では、USCPAはスキルの掛け算が効いている資格です。

USCPA=英語×専門知識(会計・税務・法律・IT・ビジネス知識)×公的資格

私はこれに加えて、前職の上場企業での経理実務経験とフィリピンという海外経験を掛け合わせた結果、かなりレアなスキルを持った人材となりました。最近ではこのスキルに加えて、会社経営のマネジメントスキル(お金の管理や人の管理)も掛け合わさったためにさらにレアになりつつあります。

このように単体のスキルではトップになれなかったとしても、スキルを掛け合わせた市場での上位は結構狙いやすくなるわけです。

英語力だけで勝負したら私なんてまったく歯が立たないです。英語が得意な方は日本人の中だけであっても相当数の方がいることでしょう。だから英語力の市場だけで戦うのは分が悪いです。しかし、そこに会計税務の市場や海外勤務の市場を掛け合わせたらグッと競争相手は減るのです。

つまり、需要はあるけれど、それを提供できる人が少ない市場を狙ってスキルアップしていくことで自分の優位性を出すことができるようになるということです。

しかもUSCPAはグローバルに通じる公的資格なので、レバレッジがさらに効きます。信用力も抜群です。

このようにスキルの掛け算によって需要はあるけれど担い手が少ない(提供できる人がわずかしかいない)市場で優位性を出すことで価格競争に巻き込まれなくなりました。

USCPA取得後のキャリアの選択肢が広がる

これまで取り上げてきたUSCPA取得後の変化を見てみると、色々な方向に展開できることが想像できると思います。大きく分ければ、このままUSCPAという専門家としてその道を極めるということはもちろんですが、事業会社に戻って財務部門の責任者という立場や事業戦略部門、会社の代表としてマネジメントするという方向も有り得ます。

このように会計税務といった数字を扱う経験を基礎として、それを組織レベルまで引き上げることで様々な方向にチャンスを広げることが可能になるのです。事業の方向性を決めることができて、人のマネジメントができれば、会社の箱の中ではどこのポジションでも通用するはずです。

USCPAは単なる資格にすぎませんが、その資格の上に、経験や知識をどんどん積み上げていくことで、USCPA受験時には想像もできなかった世界が広がることになるのです。

【まとめ】USCPAの取得が人生の転機になる可能性あり[自分で可能性を狭めないで]

いかがでしたでしょうか。USCPA取得の前後でどう変化したのか少しでも伝わっていれば嬉しいです。私が自信を持って言えるのは、私にとってはUSCPA取得が人生の転機となったということです。USCPAを取得していなければ、経理事務以外の仕事をすることは想像できませんでしたし、海外で働くなんて思いもしませんでした。その上でこれほどまでの強力な仲間に出会えるなんて夢にも見ていませんでした。

私にできたのですからあなたにもできるはずです。自分で自分の可能性を狭めずとにかく挑戦してみてください。きっと想像していなかった未来が待っていますよ。

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ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!