USCPAのフィリピンライフ
USCPAに必要な英語力

USCPA合格までに必要な英語力は?[英語系資格での基準は?]

USCPAに興味はあるけれど、英語力に不安があるから受験するか迷っている。そんな方は多いと思います。確かにUSCPAはアメリカで会計専門家を目指す方の資格であるため高い英語力が求められそうな予感がしますが、実際には日本人を始め多くのアジアの方も受験しています。そこで私が受験した際の体験も踏まえて考えてみます。

USCPA合格までに必要な英語力とは?

結論から申し上げると・・・

私がUSCPAを受験してみて感じたUSCPAで求められている英語力は、精読力よりも、必要な情報をピックアップして素早く判断できるかという速読力といったところです。

ちなみに。大手USCPAの予備校の見解は以下の通りです。

プロアクティブ

純粋な英語力というよりも、USCPAの試験に沿った英語力の方が大事という意見。会計の専門用語や独特な言い回しに慣れているかどうかがポイント。

アビタス

英検1級~2級。TOEICなら800点以上。

大原

英検2級。TOEICなら650点以上。

こうやってみると、各校で大きく違っていますね。どの予備校もそれなりのUSCPAの合格実績があるはずですからあながち間違っているとも思えません。これはつまり、それくらい必要な英語力という意味では曖昧だということでしょう。

必要な英語力について分野別に分けてみる

大手予備校の見解とは別に、私自身がUSCPAを体験した感想として考察してみます。

リーディング

USCPA受験者にとってはこれがもっとも大事なスキルですね。ただし、上述でも触れた通り、単純な読解力というよりは回答するために必要な情報がなにかを見抜き、そのための情報を素早く集めることができる読解力が求められます。USCPAの問題は文章が長いものもあれば、短いものもあります。文章が長いとやる気がなくなることもありますが、実は最後の一文の読解がポイントだったりすることもあるので、文章全体を均一に読める力よりも早く正解にたどり着くための読み方を知っている人の方が有利だと思います。

分かりやすく言えば、精読力より速読力といったところでしょうか。

ライティング

USCPAでは一部科目でライティング力が問われますが、そこまで難しく考える必要はありません。ライティングと聞くとライティング専門の参考書を買ってきて一生懸命勉強しようとする人がいますが、USCPAに合格するという目的だけで言えばそこまでは必要ありません。もちろんUSCPAは会計の専門家としての資格ですから、高度な文章を書けるに越したことはありません。それはUSCPA合格後に専門家見習いとして少しずつ進めていけばよいのであり、まずはUSCPAに合格するためになにが必要かを考えて進める方がいいでしょう。なぜならUSCPAに合格するために勉強するのですから、合格するために必要以上の時間と労力を割くことは効率が悪いです。よっぽど文章を書くのが苦手な方なら別ですが、英検準1級、TOEIC800点くらいある方なら十分知識は備わっていると考えられます。

リスニング

USCPAの試験にはリスニングはありませんので、USCPAの受験対策としてはリスニングの練習をする必要はありません。とはいえUSCPAは専門家としての資格ですからUSCPA合格後のことを考えてリスニング力を鍛えておくことはよいと思います。私はUSCPA合格後にコンサルティング会社に転職し今は海外勤務をしておりますが、英語がまったく聞き取れず苦労したことを思い出します。まあこれは練習するより実践で鍛えた方が早いので合格後に練習すればいいでしょう。

スピーキング

USCPAの試験にはスピーキングは出題されません。ですから純粋な試験対策としては不要です。ただし、リスニング同様、実際にUSCPAになってからはスピーキング力はとても大切です。私も毎日英語で会話しています。日本語で話す頻度よりも英語で話す頻度の方が多いくらいです。せっかくUSCPAという会計の専門家になるのですからそれなりには英語で話せるほうがカッコいいですよね。ただし、一つ言っておくと、USCPAを取得した後に英語で会話ができても誰もほめてくれません。USCPA=英語ペラペラのイメージを持たれているので英語で話せても誰も評価してくれないところが悲しいです。まあ自分で自分をほめてあげてください(笑)。

個人的には演説力よりもディスカッション力の方が大事だと感じます。ディスカッション力を鍛えたい方は以下にリンクを貼っておきますので検討してみてください。きれいな英語を話すよりもきちんと意見を言い合える方が大事ですよ。

【初めての海外赴任者必見!】英語力上達!キーワード別サービス比較表

USCPAの学習では英語系資格の勉強は意味ない?

USCPAを受験する前にちょっと英語力を引き上げておきたいという方は、あまりこだわらない程度に英語系資格で勉強するのもありです。

その場合は、英検とTOEICをオススメします。英検は単語力、文法力、読解力、リスニング力、スピーキング力をバランスよく鍛えてくれるのでとても優秀な試験だと思います。全体的な英語力引き上げには最適です。USCPAを目指すなら準1級は取得したいところです。

TOEICはリスニング力と読解力を鍛えるのに最適です。特に読解力は上述のUSCPA試験の特徴でも述べた通り、必要な情報をピックアップするという読解力を鍛えるのにベストです。TOEICは問題量が多いので、全部の文章をまじめに読んでいたら絶対に終わらないように作られています。ですから「回答に必要な情報を文章から集めてくる」という読み方が身に付きます。文章自体はそれほど難しくないので、すらすら読めることでしょう。だからこそ「全部を読まない努力」が求められるということですね。

しかし!

ここまで英語系資格を持ちあげといてなんなんですが、英語系資格の勉強をしたところで、USCPAの問題文は理解できないでしょう。

それはなぜか。

英語系資格は一般大衆を対象にした資格なので、日常的な話題や題材を扱っています。ビジネス系の話題も少しは扱うのですが、あくまで当たり障りのない(?)範囲での話題のみです。

ところが、USCPAは公認会計士の資格なので、あくまで専門家になるための入り口となる試験です。

だからUSCPAの試験は専門家たるものこれくらいは知っておいてくださいという内容になっているのです。

英語系資格ではUSCPAで登場する言い回しや単語はほとんど勉強できないというか出てこないのです。

これが英語系資格の勉強をあまりオススメしない理由です。つまり、いくら英語系資格の勉強をしたところで、USCPAの試験対策にはならないのです。

そういう意味では、ぶっちゃけ英語の勉強はそこそこで切り上げて、早くUSCPAの試験対策に入ってしまって、USCPAの過去問をバシバシ解いていった方がいいと思います。USCPA界隈ではこれを「MCを回す」と言いますが、この方が早いですね。もちろんUSCPAになった後までのことを考えれば英語の勉強はやっておいた方がいいですが・・・。

そのようにUSCPAのMCを回しながらUSCPAの試験に登場する専門用語や独特な言い回しを体に沁み込ませていく感じです。きちんと単語帳を作る学習方法より、たくさんの問題に触れて慣れちゃう方が早く身に付きます。単語や言い回しを習得しながらついでに問題も解いちゃう。というのもUSCPAは学習量が多すぎるので単語帳を作っていたようでは追い付きません。そのうち挫折します!私も挫折しました。暗記しちゃうくらい同じ教材を何度も繰り返し回した方がいいです。そうすれば英語から日本語へ翻訳する脳からも脱却できます。英語を英語のままダイレクトに意味をとらえられるようになります。これで脳が鍛えられます。確かに最初は大変です。疲れます。でも繰り返しやっていくと脳内に回路ができますからそのうち問題なく英語を英語のまま理解できるようになりますよ。

【科目別】実際にUSCPAを取得して必要な英語力を検討してみた[個人の感想]

最後に科目別に英語力を考えてみます。

FAR:英語力はそれほどいらない。

ただし、会計用語が多く登場するので、基礎固めは必須。FARから入るのはハードルが高そうなら、BATICから始めてもOK。BATICは日本語教材もそこそこ出回るようになったので日本語でも会計の専門用語を勉強できるのがグッド。

AUD:英語力必要。でも暗記でいける。

AUDは結構英語力必要。特に監査基準と監査報告書は丸暗記必須。ただし、定型文が多いので慣れれば楽かも。文章は長めなので長文に対する耐性は必要かも。

BEC:英語力必要。

BECは出題範囲が広く、学習範囲が一番広いためかなり大変。会計士としての専門知識を試しているというよりは、金融業界を支えるために必要なビジネス全般に関する知識を試す感じ。純粋な英語力という意味では一番求められるかも。その上、ライティングもあるので英語力は結構いる。個別具体的な法律もバンバン出る。そんな法律知らんがなというものまで・・・。私はBECが一番苦労した。最後まで受かる気がしなかったし、受けても受けても毎回新しい問題が出題されたのでもうどこまで勉強すれば合格できるのか最後まで分からなかった。やり始めたらきりがない科目。

REG:単語力必須。

REGは税法なので範囲は明確だが、専門用語のオンパレードなのと暗記項目が多いので結構大変。BECの次に苦労したのがREG。ただ、パターンに当てはめれば解ける問題も多いので、頻出範囲をきちんと固めれば大丈夫な気はする。細かい数字(控除限度額とか)や税率の暗記が求められるので、暗記が苦手な私にはつらかった・・・。

どの科目にも通じることですが、結局過去問を解きながら頻出単語や頻出フレーズに慣れていくというのが近道です。ただし、近道であるがゆえに結構胆力がいるので、自分の中で継続できる方法で学習を進めるようにしてください。継続できなければ意味がないので。USCPAは4科目もありますし、それぞれの学習範囲が膨大なので途中で息切れしないように、ウサギよりもカメを目指して頑張った方が結果的に早く合格できるでしょう。

【まとめ】英語系資格で底上げ。あとはひたすら実践で鍛えよ!

いかがでしたでしょうか。英語に自信がない方はまず英語系資格(英検&TOEIC)で英語力を底上げし、ある程度基礎が固まった時点でUSCPAの過去問に取り組み、実践で各科目ごとに必要な単語やフレーズを鍛えていくことがいいでしょう。USCPAも結局は資格試験なので、出題範囲は概ね決まっていますし、パターンはありますからそれらを一通りおさえられたら合格できるでしょう。英語力そのものにはあまりこだわらずどんどん実践で英語力を鍛えていきましょう。

ABOUT ME
ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!