現代は日系企業といえども海外へ進出せざるを得なくなっています。経済のグローバル化に加えて日本の場合は少子高齢化のために労働人口の減少に歯止めがかからず海外で出ていかないと生き残れない時代になりました。日本の金融関係者の皆様も日系企業の海外進出を支援するべくスキルを身に付ける必要に迫られています。
日本のマーケットシュリンクが止まらない
日本の総務省が発表しているデータを持ち出すまでもなく、日本のマーケットはシュリンクしていることは皆さんも肌感覚で分かることと思います。
(1)人口減少の現状
我が国では、少子高齢化が急速に進展した結果、2008年をピークに総人口が減少に転じており、人口減少時代を迎えている。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、2050年には日本の総人口は1億人を下回ることが予測されている。人口構成も変化し、1997年には65歳以上の高齢人口が14歳未満の若年人口の割合を上回るようになり、2017年には3,515万人、全人口に占める割合は27.7%と、増加している。他方、15歳から64歳の生産年齢人口は2017年の7,596万人(総人口に占める割合は60.0%)が2040年には5,978万人(53.9%)と減少することが推計されている。
このような状況下では企業が作るモノを買ってくれる人や、企業が生み出すサービスを消費する人が少ないために、生産者である企業がその消費してくれる人を求めて海外に出ていくことは致し方ないことです。日本の婚姻率、日本の出生率を上げていく努力は継続するとしても、目の前の課題に対応することは生き残っていく上で必須と言えます。
金融機関は海外支援ができなければ生き残れない時代
企業が海外に進出していくためにはそれなりの初期コストがかかることは言うまでもありません。メーカーであれば、海外の新天地で土地を探し、そこに工場を立て、生産設備を投入し、人材を採用してトレーニングする必要があります。それには膨大な投資が必要となります。これまでの貯金がたっぷりある企業は自分で資金を準備することができるでしょうが、多くの企業はそのような莫大な資金を自社の財布から用意することは難しいでしょう。新しく工場を建設するということは、それだけ事業による収益機会が拡大するということが見えているわけですから金融機関としては大変なチャンスです。そこで最近は金融機関自ら海外進出セミナーを開催するなど日系企業の海外進出を積極的に後押ししているように感じます。
私はフィリピンで日系企業の海外進出のお手伝いをしていますが、フィリピンのローカル銀行に日本の金融機関の方が出向してくるケースが多くなってきました。日本からのフィリピン進出の支援に加えて、フィリピン現地でのビジネスのサポートを行うためです。私は仕事柄金融機関の方と連携してビジネスを行う機会が多くありますので、これからの金融機関にお勤めの方は企業の海外進出支援ができなければ仕事が無くなってしまう時代と言っても過言ではありません。
海外支援を行うために専門スキルを身に付ける
今までの金融機関の仕事は日本国内で日本の国内企業を支えることができれば十分でした。しかしこれからは日本国内で支えることにとどまらず、海外への進出支援、さらには海外に進出した後の海外現場での支援ができることが必須でしょう。
そのためには海外進出支援ができるような専門的なスキルを身に付けなければなりません。そして専門的なスキルを身に付けるだけでなく、実際に海外の現場にしばらく身を置いて、自分の体で海外を体験することを通して専門スキルに磨きをかけていく必要があります。
このブログ記事を読んで頂いている皆さんにはぜひこれからの日系企業の海外進出を支援できる人財になって頂きたいと心から思います。
英語+会計税務+海外でのコミュニケーションスキルが必須
では日系企業の海外進出を支援する上で必要な専門スキルとは何でしょうか。それはずばり以下のスキルと考えます。
会計税務のスキル
コミュニケーションスキル
英語は海外に行けば必須のスキルです。説明する必要もないくらい重要です。しかし、日本人が英語のスキルというとすぐに義務教育時代の英語の勉強をやり直そうとしますが海外で必要な英語スキルは義務教育時代に一生懸命詰め込んだ英語学習とはかなり違います。海外で仕事をするために必要な英語スキルなので全く別物と考えた方がいいでしょう。
ここで説明するのは大変ですので、興味がある方は別記事を参考にしてください。
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会計税務のスキルはいわゆる簿記の知識にとどまりません。帳簿を作るわけではないと思いますので、帳簿を作る知識よりも帳簿を活用するスキルが重要です。しかも英語で理解していないといけませんので、英語力と合わせて身に付ける必要があります。
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コミュニケーションスキルが重要なのは言うまでもありません。しかし海外進出支援において大事なコミュニケーションスキルはペラペラ話せるスキルでもなければ、魅力的なプレゼンスキルでもありません。相手の話を聞き、その真意をつかむ能力が大事です。これは上記の英語スキルと会計税務のスキルの上に積み上げるものですので、じっくり基礎固めをしていく必要があります。
日本国内で働く、海外で働くなど働く場所を問わず今後は海外とかかわってビジネスをしていくほかありません。必要なスキルは早めに身に付けておくようにしてください。
応援しています!