USCPAのフィリピンライフ
金融機関関係者

【金融機関関係者】グローバル化の中では専門性を磨いて備えておかないと生き残る道はない

最近はグローバル化の中でいかに生き残っていくかを真剣に考えるようになったサラリーマンが多くなった気がします。日本の会社にしがみついていても、急に自分の会社が外資に買収され、翌日から上司が外国人になったという例はよく聞きます。そんな時代で生き残っていくためには専門性を磨いて備えておくしかありません。

あるできごとをきっかけに世界が一気に激変する時代

2020年年初に突然起きたパンデミック。こんなにもグローバル化し、ヒト・モノ・カネが自由に世界をかけめぐる、しかも高速で移動する時代においては初めてのことでしょう。国境を縦横無尽に渡っていた航空機が飛ばなくなり、国内の公共交通機関も国によっては全面ストップ。少し動き出したと思ったら乗車率を制限するなどこんなにも一気に不便になったことは最近の歴史ではなかったことです。とにかく各国が必死で自国防衛に走り、国境が突然閉ざされ、人々の移動が制限されたことはその国の経済はおろか、世界に大ダメージを与えたことは言うまでもありません。

仕事が一瞬にしてなくなる恐怖・不安を抱えて生きる

ヒト・モノ・カネが動くところには必ずビジネスがあります。それらを動かすための労力が必要だからです。ですから、これらの移動ができなくなるということはそれだけで何万人もの働いている人たちの仕事を奪うことになります。

私はフィリピンにおりますが、このことは目の前で強烈に感じていることであります。

ついさっきまで動いていたジプニーと呼ばれる市民の足となっていた乗り合いバスは全面運休命令。これにより、運転手はもちろんのこと、車体を貸していたオーナーや運行の手伝いをしていた方々までいきなり仕事を奪われたのです。

このような仕事に従事している人は、正社員では働く機会を得られず、誰かの手伝いをして数十円ずつお駄賃をもらって、そのお駄賃で生計を立てている人たちなので、貯金はありません。あくまでその日、もしくは次のご飯を買うために必死に働いているので、ひとたびジプニーが運休してしまうと、たちまち次のご飯を買えなくなってしまうのです。しかも国からの補助はほぼゼロ。このようにして仕事を失い、食べるものにも困り、路頭に迷う人があとをたちません。

仕事が一瞬にしてなくなる恐怖を目の前で感じています。

グローバルに通用する専門性を磨くことで地殻変動に備える

今回のパンデミックを誰が予想できたことでしょうか。リーマンショックもそうですが、このような世界を揺るがすイベントというのは誰も予想することができないのです。それでもある一定の割合で起こるのです。そして起こってからではもう遅いです。ジプニーの運行の手伝いをしていた人がパンデミックが起きたからといって、翌日からITエンジニアになってオフィスでバリバリ働く、在宅勤務でZOOMを使って仕事を受注する、といったことはできないのです。

ですから、そういった大イベントが起こるという想定のもと、日々準備しておくことが大切なのです。

そこで折角こちらの記事にたどりついて頂けた皆さんには、ぜひグローバルに通用する専門性(必須スキル)を磨くことで、低い割合ではありますが確実にいつか起こるというイベントに備えておいて頂きたいのです。

ローマは一日にして成らず。

よく聞かれる言葉ですがまさにその通りです。パンデミックが起きてから準備するのではもう手遅れです。いつ起こるかは分かりませんし、予想する意味もありませんが、いつか必ずまた同じようなイベントが発生します。その時に備えて現状考えられる必須スキルを身に付けておいてください。

英語+会計+税務+ITがあなたを救う

グローバルに通用する必須スキルとはなにか。それはズバリ、英語+会計+税務+ITです。それぞれは説明するまでもないかもしれませんが、ここでの重要な観点だけ申し上げておきます。

英語

こちらはTOEICの点数とか○○資格とかそういった英語力というよりは、英語で相手の話を聞き、理解し、それに対して自分の意見を相手にぶつけて議論し、お互いの一致点を見出せる能力のことを指します。小手先の英語スキルではありません。発音がいいことでもありませんし、ネイティブのようにペラペラ話す能力でもありません。日本人は見える部分に重きを置く傾向がありますが、それでは世界では通用しません。そもそも英語は外国語なのですからそんなうまくなるわけがありません。そんなことは誰にとっても同じです。だからネイティブであればあるほど英語が下手ということは全然気にしていません。それよりも大事なのは中身なんです。それに加えて相手にちゃんと向き合おうとしているかという心の問題です。これは言語能力そのものよりもビジネスの世界では大事なことです。

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会計

ビジネスの世界は数字が命です。全て数字に置き換えて考えるのがビジネスです。ですからしばしば数字で会話せよ、とか共通言語は数字だなどと言われます。まさにその通りで、大きいとか安いとかいってもその捉え方は人それぞれです。しかし数字は全員に共通です。だから誤解が生まれません。言葉を超えた共通性が存在するのが数字ですので、数字で会話するというのもうなずけます。数字といっても一定のルールがありますので、その数字の表現方法のルールを抑えておくことが必要で、それが会計なのです。会計というとすぐに簿記とか仕訳とか難しい話を思い浮かべることが多いですが、それよりもビジネスの大局観をつかむために会計を勉強しておく必要があるということです。ですから、経理部の方が行っている日々の仕事とは別の話ということです。

税務

税務は非常にローカルなルールです。国ごとの特色を表しています。国というのはお金がないと立ち行かなくなりますから、いかにお金を”納得感のある形で”徴収するかが課題で、その時々の国の財政状態を反映する興味深い分野です。税金はいくらかかるのか、その徴収方法(納税方法)、どの取引に対して税金がかかるのかという課税対象、税金を安くする方法などビジネス上避けては通れない重要な論点になるのが税務なのです。しかも国ごとに違いますので、それぞれの国の税務を理解することが重要で、国ごとに比較することでより有利な投資対象国を見つけることにもなるかもしれません。税金を不正に抑えることは違法ですので論外ですが、決められたルールを駆使して納税者の権利の範疇で税金を低くすることは検討に値することですから、必要なビジネスコストを算出する上でも税務の知識は必須です。

IT

これはプログラムを書けるようになれ、とか難しいコンピューター言語を覚えろという話ではありません。ブラインドタッチでパソコンの入力ができるといった話とも違います。それよりもITがビジネスでどう使われているのか、どう使われるのがいいのかを知っておくということです。ITは仕事を楽にするためのツールです。人間ができないような大量の仕事を短時間にミスなくすることができるのがITの力です。しかしITはまだ自分で考えることができません。どう使うかは人間が決めてあげないといけないのです。その能力がITスキルです。

これらの能力というのは、どの分野でも、どの産業でも、どの国においても働く上ではベースとなるまさにOSのようなスキルなのです。OSですからその上にのせるアプリはOSを築いたあとに自分の好みに合わせて乗せていけばいいわけです。途中で変えてもいいし、複数乗せてもいいわけです。しかしこれらスキルもOSなくしては動きません。ですからこの記事を読んで頂いている皆さんにはまずはOSを着実に築いてほしいと思います。

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ABOUT ME
ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!