USCPAのフィリピンライフ
任せるべき税理士像

【結論】税務調査の対応を任せるならこんな税理士!

前回は「税務調査の対応を任せてはいけない税理士」の特徴について紹介しました。

気になる方は下記のリンクから確認してください。

【保存版】税務調査の対応を任せてはいけない税理士8選

今回は税務調査に強い税理士の特徴を紹介します。

税理士も人間ですから相性があります。

具体的に話をしてみないことにはお互い分かりませんので、悩んでいるならまずは相談してみてください。

本業に集中してより多くの売上や利益をかせぐためにも税務調査の悩みや不安は早いうちに片付けてしまいましょう!

【この人に任せておけば間違いない!】税務調査に強い税理士の特徴

①税務調査で必要な法人税法22条に詳しい税理士

税に関する法律といってもその範囲は広いです。

だから全ての税に関する法律を知っている税理士はいませんし、その必要もありません。

税務調査でやり玉にあがるのは、売上・原価・人件費・特別損益の4つがメインです。

法人税の計算をする上での大枠を決めているのが法人税法22条ですから、この税法に詳しい税理士は税務調査で有利になります。

広く浅く色々な税法に詳しい税理士よりも、多くの税法に詳しくはないけれど法人税法22条にはとことん詳しい税理士が税務調査では威力を発揮します。

②質問検査権に詳しい税理士

税務調査では税務調査官がなんでもかんでもできるわけじゃない。

確認してよい資料や質問できる内容は法律で決まっています。

その権限を法律で許可しているのが質問検査権です。

だから想像しているより税務調査官ができることは限られているのです。

だからいくら税務調査とはいえ、質問検査権に定められている権限を越えるようなことはできないことになっています。

質問検査権に詳しい税理士が付いていれば税務調査官がその権限を逸脱するような行為をしようとした場合は、税務調査官にきちんと文句を言えるのでとても効果的です。

③元帳の基礎資料をちゃんと見る税理士

税務調査官は会計のプロでもなければ、税務の法律にも詳しくはないのです。

そういう意味では、税理士の方が会計の知識も税務の知識も優れていることが多いようです。

でもこれは税務調査官も分かっているらしく、税理士が作った資料などには目もくれません。

プロの税理士が作った資料からどうせミスなんて見つけられない、見つけたところで大したミスじゃないって分かっているからです。

だから税務調査官は税理士が作った帳簿ではなく、帳簿を作るために使用した元の資料(請求書とか領収書とか)を見るんです。

それが分かっている税理士は帳簿を作る作業より、会社から渡される資料により多くの注意を払うのです。

これが税務調査に強い税理士になります。

④ヒヤリングを重視する税理士

税務調査官は会計や税務の知識は税理士にはかなわないものの、記憶力はピカイチだそうです。

税務調査は会社の方からのヒヤリングから始まります。

そのヒヤリング内容に基づいて税務調査官からの質問攻めが始まるのです。

少しでもヒヤリング内容と違ったことを言うとそこをチクチク突いてくるのが税務調査です。

ですから、最初のヒヤリングを重視して作戦を立てる、ヒヤリングの重要性を説明してくれる税理士は税務調査に強いです。

⑤寡黙な税理士

税務調査官の中にはまったく会社の話を聞いてくれない調査官もいるようです。

そんな調査官にあたってしまうと会社側もイライラしてどんどんまくし立てるように発言をかぶせてしまうことがあります。

しかしこれは危険です。

会社の人をイライラさせて余計な発言を引き出そうとしている税務調査官の高等テクニックである可能性があります。

こういった税務調査官に運悪く当たってしまった場合の対策は一つ。

こちらもしゃべらないということです。

男は黙ってサッポロビール!なんていうCMがありましたが、まさにそのとおり。相手が話を聞かないなら、こちらはしゃべらない戦略を取るということです。

そんな寡黙な税理士も税務調査にはうってつけです。

⑥審理に負けない税理士

税務調査で法律の解釈で会社と税務調査官が対立した際に調査官が「こちらは審理の許可を取っている」と脅してくることがあります。

審理の許可とはなんぞやということですが、これは税務署の中には法律の審査を行う専門の人がいて、その人の許可を取っているということです。

税務調査官は法律に詳しくないので、法律の解釈で問題になった場合は、税務調査官では対応できないので、そういった税務署にいる内部の法律専門の人の意見を聞いて税務署の意見とするわけです。

とはいえ法律の解釈でそんなにやすやすと税務署の見解として出してくれるはずがありません。

ですから税務調査官が「審理の許可を得ている」と脅してきたところでそれが税務署全体の意見になるかといえば怪しいものなのです。

そんな「他人の意見」を根拠に話すくらいなら、ちゃんと税法の根拠を求めた方が建設的です。

「審理の許可を得ている」という脅しに負けない税理士が税務調査に強い税理士です。

⑦大阪出身の税理士

税務調査の厳しさは地域によって差があるそうです。

都市部と地方でも違うようです。

会社の数や規模が違いますからある意味しょうがないです。

そんな中でも大阪国税局は人気があるそうで、大阪への配属を希望したのに希望者が多くて希望が通らず、東京に配属されるケースがあるそうです。

そんなこともあるせいか、大阪国税局出身の方は優秀な方が揃っている印象だそうです。

もちろん一概には言えませんが、競争が激しい地域や税務調査が厳しい地方で鍛え上げられた税理士は税務調査でも力を発揮してくれると思います。

⑧先延ばし作戦を実行する税理士

税務調査が長期化した場合、上司への報告が必要になるため、税務調査を早く切り上げたいのはむしろ税務調査官の方です。

だから税務調査への協力は最低限にして時間を味方に付けられると強いです。

⑨印紙税に気をつかう税理士

印紙税を見過ごしている会社は多いようです。

「こんなものにも印紙税がかかるのか!」とビックリするような事態もあります。

また、印紙税には推計課税が認められていますから「ザックリこれくらい印紙税を払ってないみたいだから課税しとくね」っていうとんでもないことができるようになっているんです。

印紙税に詳しい税理士はあんまりいないのではないでしょうか。

だからこそ税務調査で狙われます。

⑩税務調査官のハッタリにだまされない税理士

税務調査官から出てくる必殺フレーズを再度紹介します。

「審理の許可を得ている」
「税務署長の許可を得ている」
「過去からやっている」
「全税務署でやっている」

これらは大抵の場合はウソです。

納税者から修正申告を引き出して幕引きを図ろうとしているサインです。

税務調査官のハッタリに乗らず、とにかく根拠法を出させるよう粘り強く交渉する税理士が頼りになる税理士です。

【私も相談してみたい!】税務調査の相談をしてみよう!【相性は大事です】

私はフィリピンで日系企業向けの海外進出コンサルティングを行っています。

日々様々な相談を日本企業から受けるわけですが、中でもダントツで多い相談が税務にかかわることなんです。

会計はフィリピンの場合、ほとんど国際会計基準と同じなのであまり問題にはなりません。

しかし、税務だけはフィリピン独自のルールが数多く存在する上、日本のようにきちんとしたルールが確立されているとは言い難く、曖昧なルールだったり、ルールがあったとしてもルール通りに運用されていなかったりすることなど日常茶飯事です。

だからフィリピンでコンサルティングを提供している中で、日系企業が一番頭を悩ませるのが税務なんです。

その上、東南アジア独特の商習慣があり、税務署側の対応も微妙なことが多いです。

特にフィリピンの場合、税務署の役人ごとに徴税予算(いわゆるノルマですね)が決まっており、毎年そのノルマ達成に向けて税務調査官は必死なんです。

いかに楽に(←ここ大事!)、かつ多くの税金を徴収できるかが彼らの命題であり、ある意味国家財政を彼らが支えている部分もあるのかと考えるとしょうがない気もします。

しかし!

そんなことを言っても、払わなくてもよい税金を払う義務は納税者にはありません!

払わないといけない税金は払うべきですが、必要以上に払うのはおかしいです。

私はフィリピンでの税務相談の中で、税務調査に関する相談も何度か受けたことがあります。

フィリピンの税務調査では、最初に税務署から税務調査通知(LOAといいます)が納税者の元に届きます。

それを根拠に税務署が税務調査を行い、調査結果を納税者に書面で通知してくるのですが、その内容があまりにもひどいことが多く、私のような税務を少しかじった人間から見ても、「きちんと調査していないな」ということが明らかに分かります。

もしくは「税務を知らない役人が調査したんだな」と思えるくらいトンチンカンな指摘事項が横行していたりします。

日系企業の方はほとんどが税務に関する十分な知見がなく、国家権力からしかも英語で通知書を受け取ってしまうと、通知書に書かれている金額をそのまま払って終わりにしたくなる気持ちも分かりますが、それでは税務署側の思うつぼです。

「払うべき税金は払う、払う必要のない税金は絶対に払わない。」

これくらいの気概を持って税務調査に対応してほしいですが、なかなかそんなことができていないのが現状だと思います。

そんな中で私のクライアントで運悪く税務調査に入られてしまい、私がその対応にあたったことがあります。

先程説明したように、税務署からは色々な指摘をされてはいるものの、そのほとんどは一体んどんな税法に基づいて行っている指摘なのかがまったく分かりませんでしたし、明らかに機械的に算出した納税額だったのです。

私としては当然ながら税務署に対する反論文を書き、クライアント経由で税務署側に反論文を提出してもらいました。

これで税務署が納税額を修正してくれると思っていましたが、そんなに甘くありませんでした。

なんと私が作成した反論文など完全無視で、税務署は再度全く同じ内容の納税通知書を送りつけてきたのです。

当然ながら再度抗議文を書き、反論しましたが、また同じ内容の納税通知書が送られてきました。

ルール上、あと1回反論できるのですが、それで税務署側が再度同じ通知をしてきた場合、もうその先は税務裁判に持っていくしか選択肢がなくなります。

ここで初めて私は税務署側の戦略(策略?)を感じました。

つまり、税務署としては抗議文は全部突っぱねて、裁判まで持っていこうとしたのです。

裁判までしっかりやればおそらくクライアントの勝利でしょうが、裁判で戦うにはそれなりのお金がかかります。

裁判で戦うかどうかは結局のところ費用対効果で決まるわけで、今回の案件は裁判を起こしても費用負けすることは明らかでした。

ですから、税務署としては裁判を起こされたら困るけど、費用対効果を考えれば裁判なんて起こしてこないだろうと高をくくっていたのでしょう。

まさにその戦略に乗らされるところでした。

そこで、知り合いのつてを使って、税務調査を担当している税務署長の知り合いの現地コンサルタントに声をかけ、今回の税務調査を代わりに対応してくれないか依頼してみました。

そうすると、そのコンサルタントはなんと税務調査をしている署の税務署長とは税務署勤務時代の旧知の仲だそうで、さっそくその税務署に出向いてくれて、ささっと解決してくれました。

これには本当に驚きました!

税務署OBの力をまざまざと見せつけられた瞬間でした。

もちろん税務に関する知識は大事です。

しかし、現実の税務調査では知識ではどうにもならないこと、税務そのもの以外で物事が動いているのだと実感した体験でした。

私はこの体験以降は、税務調査に首を突っ込むことは辞めました

なぜなら私のような税務署とつながりが何もない普通のコンサルタントではクライアントに満足のいく価値が提供できないことが分かったからです。

税務調査に対する法的な対応の仕方は分かっています。

しかし、法的な対応を知っていることと、税務調査をきちんとクローズできることとは全く違うのです。

ですから、私の結論は、「餅は餅屋」ということです。

税務調査という特殊な仕事は、その専門家に任せることが一番効率がいい方法ということです。

前出の私の体験で言えば、私は税務署に対する抗議文を2回書きました。

これも相当税務に関する法律も調べましたし、かなり気をつかって文章を書きました。

1週間くらいは時間を掛けたと思います。

当然タダではありませんから、それだけで数十万円をクライアントに払ってもらいました。

しかし、この払ってもらった費用は結局無駄になったわけです。

だって、結果的にクライアントが主張していた内容が税務署に認めてもらえなかった(というよりもむしろ抗議文を読んでももらえなかった)のですから。

コンサルタントとしてとても悔しく、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

もっと早く税務調査に強い税務署OBを紹介していれば、私に払ってくれた数十万円は無駄にしないでよかったのです。

ですから、悪いことは言いません。

このような国家権力とガチで戦う必要がある場合は、ぜひ税務調査に強い税務署OBに依頼してください。

もちろんタダではないですが、その分払わなくていい税金を払わずに済むのなら安いものです。

お金の掛けどころは間違えないようにしてもらいたいと思います。

私が税務調査に関わって失敗したからこそ強くそう思います。

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まとめ:OB税理士はやっぱり強い!

税務調査対応ならやはりOB税理士の方が強いです。

試験税理士も知識はあるしよく勉強しています。

しかし、税務調査は知識や勉強で切り抜けられるものではなく、もっと泥臭いものです。

だからこそ税務調査官の内情を知っているOB税理士が税務調査には強いのです。

相手の好きなこと、嫌いなことが手に取るように分かっているのですからそりゃあ有利ですよね。

もちろん今回挙げた税務調査に強い税理士の特徴を参考にしてもらった上で、自分と相性の合いそうな税理士の方に相談すれば税務調査の悩みもかなり和らぐことを祈っています。

いくら実力があっても、相性は大事ですからまずは相談してみることをお勧めします。

相談する中でぜひ今回紹介した事項が参考になれば幸いです。

今回税務調査について色々調べるのあたり、税務調査に強いとされている松嶋洋先生のご著書を参考にさせて頂きました。

松嶋先生は国税OBで、税務調査に強く、税務署の裏側まで知っている税理士さんです。

もし税務調査で悩まれていたり、今後の税務調査が心配な方は一度松嶋先生に相談されてみてはいかがでしょうか。

ご著書もいくつかありますので、松嶋先生のお考えなどを著書で確認した上で相談してみるのもアリです。

下記にリンクを載せておきますので、税務調査で失敗したくない方、税務調査で不安を抱えている方は相談してみてください。

経営者や個人事業主など税務調査でお悩みの方の相談を受け付けています

【参考文献】

〈押せば意外に〉税務署なんて怖くない 国税OBが教える「税務調査のかわし方」 [ 松嶋洋 ]

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ABOUT ME
ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!