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私がUSCPAを取得した理由とUSCPAを取得した後の人生について

私がUSCPAを取得した理由とUSCPAを取得した後の人生について

 

今回は私がUSCPAを取得した理由とUSCPAを取得した後の人生について書きます。

USCPAを取得する理由は人それぞれです。それぞれの方がそれぞれの取得理由を持っていていいと思います。逆に言うと、それくらい幅の利く資格ということですね。

私の話に入る前に簡単に復習しておきます。

USCPAは最低限をクリアできているかを問われている

医者になるつもりがないのに医師免許を取得しようと思う人は少ないと思います。弁護士もそうでしょう。日本の公認会計士の資格もそうかもしれませんね。

ではなぜUSCPAは取得しても意味ないとか言われるのでしょうか。

そもそもUSCPAは「米国公認会計士」なので、アメリカ版の公認会計士の資格ということになります。日本の公認会計士の資格と位置付けは同じです。ではなぜこんなに叩かれているのでしょうか。

それは試験制度の性質の違い、ということと考えています。

日本はいわゆる「落とす」試験なので、それなりに勉強したとしても成績上位に入らないと合格できないようになっています。これは受験者の実力に拠りますので、優秀な受験者が集まった年は合格が難しく、比較的自分と近い実力の受験者が集まった年は比較的合格しやすいと言えると思います。つまり、結構「運」によるということです。

逆にアメリカでは試験は「USCPAの入り口に立てているか」を測る試験とされています。つまり、これからUSCPAとして活躍できる素地を備えているかを確認する試験であり、USCPAの卵として最低限身に付けておかなければならない基本が身についているかを確認するだけの試験なのです。

つまり、これからUSCPAとして仕事をしていく上で最低限のレベルに達しているならば、全員合格なわけです。もちろん試験なので、易しい問題や難しい問題など色々出るわけですけど、その中で絶対抑えておかないと話にならない問題をきちんと理解していれば合格できるわけです。あとは仕事の中で磨いていってねということになります。

日本の公認会計士の試験とUSCPAの試験では、試験の目的が違うのですから試験の難易度について比較することはあまり意味を成しませんね。ただ、試験の出題範囲というか問われる内容ということであればほとんど同じと思います。

私がUSCPAを取得した理由

この前提は私もUSCPAを受験する前に知っていました。USCPAは意味ないとかUSCPAは使えないとか色々言われました。それでも私は受験することにしていました。その最大の理由は、

名刺に資格を書きたかったから!

ですね。

ははは、今考えればなんだそんなことか、と思うかもしれませんが、これが意外とよかったと今でも思います。

でもこれって効果絶大です。だって、いくらその人に実力があろうとも、仕事が出来ようとも、その人を知らない人はそんなこと知らないわけです。初めて会った人が会った瞬間に「あ!この人仕事メッチャできる!」なんて分かるわけがありません。

個人的にはUSCPAより日商簿記1級の方がすごいと思っていますが、名刺に「簿記1級取得者」なんて書く人はいないでしょう。

そう、転職してからは私はUSCPAとしてコンサルタントをしていますが、名刺に「米国公認会計士」と書いてあるので、それだけで「あー、会計の専門なんですね」とか「アメリカにはどれくらいいらっしゃったんですか」とか「英語はお上手なんですね」とかまだ会って10秒しか経ってないのに”勝手に”そういう風に思われるわけです。もちろん私としては「いえいえ、そんな大した資格じゃないですよ」って返答するわけですが(本当に大した資格じゃないと私自身は思っているので)、それでも「いやいや、またー。謙遜が上手ですねー、先生!」なんて言われて全く信じてくれないんですよ(笑)。急に”先生”とか呼ばれ始めますし。

まさにこれが「資格の強さ」だと思います。つまり、実力の有無にかかわらず、相手に何も説明していないのに「あー、この人はきっとすごい人なんだなー」って思われるわけです。

まー、すごいと思っているかは分かりませんけど、「米国公認会計士」と書いてあったら、なんかアメリカに駐在していたっぽい、とか、会計士っていうくらいだから会計については色々知ってそうだ、とか、米国ってことは英語がネイティブなのか、とか、相手が色々想像を膨らませるわけです。

これはビジネスの世界ではとても楽です。だって、自分で自分のことを説明しなくても相手が自分のことを想像してくれるわけです。そして勝手に仕事が出来そうとか英語が出来そうとか色々思ってくれるんです。

普通は自己紹介したり、自分の実績を色々主張してみたりしないと相手は自分のことを理解してくれないわけですが、そんな必要は一切ありません。むしろ、相手の想像をストップさせる方に注力することが多いですね(笑)。

こんなにある!USCPAを目指す理由

まあ、こんな感じである意味大したことない理由でUSCPAに取り組み始めたわけですが、私が考えていたUSCPAを取得する理由は「名刺に書く」だけでなく、他にもあります。

英語を勉強できる(大量の英文を読み込むことになります。しかも時間が限られた中で読まないといけないので読むスピードも上がります。というか勝手に上がります)

英語で、会計を勉強できる(実際には会計だけではなく、経済や税金のことなども英語で勉強できます)

経理部として働いていた集大成になる(私は経理部で資格としては日商簿記3級から、借方貸方も分からないところから始めてますので、その集大成として何か残しておきたかったということです)

会計を英語でできる人が少なかった(今は英文会計とやらが世の中に普及してきたのでそんなことないかもしれませんが、当時は英語で会計が分かる人は周りにほとんどいませんでした。逆に会計のプロはいっぱいいたので、自分が会社で生き残るには。「英語+会計」しかないと考えていました。何しろ日商簿記3級レベルにも達しないレベルでしたからね・・・)

海外で働きたかった(日本国内では日本の公認会計士が思いっきり競争していました。しかもそこに税理士も絡んできます。中小企業診断士もある意味絡んできます。もうみんな超難関試験をクリアしてきた猛者たちでした。日商簿記3級レベルのヤツが太刀打ちできる世界ではありません。みんな学生時代から勉強してきた人たちですからね。私は日本で働いていた時は上場企業の経理部に勤めていましたから日本の会計士の先生とは毎日のように仕事で絡んでいました。学歴もいいし、頭もいい、こんな人たちと正面から勝負したら私のような凡人は歯が立ちません。それでも彼らも人間です。完璧というわけではありませんでした。というのも、英語は苦手な先生が多かったと思います。そこで、英語で会計を勉強していた私には色々頼ってくれました。逆に会計の細かいルールとか専門的なことは教えてもらっていました。そういう意味では相互補完的な感じで仕事ができていた気がしますね。仲は良かったです。そんな先生たちは日本国内で仕事がたくさんありますからわざわざ海外に行って働こうなんて思っている人はほぼいませんでした。そもそも日本の公認会計士ですから日本国のために働くということでしょうから海外で働くなんて思った人もいない時代でした。そんな中で、私は当時勤務していた会社の海外子会社に出張に行く機会が何度かありました。そこで、各子会社の経理部長とかCFOとかと直接話をする機会がありました。こんな私でも一応親会社の経理部門で海外子会社の取りまとめをしていましたから、そういう意味では彼らは私の話をよく聞いてくれました。中国に行っても、ヨーロッパに行っても、アジアに行っても、結局みんな英語で話すわけです。そしてアジアの子会社の経理部長はCPAのライセンスホルダーでした。そう、海外ではCFOや経理部長クラスの人材はCPAホルダーがわんさかいます。ここは日本の会計士の考え方とは全然違いますね。最初に書いた通り、USCPAはあくまで「基礎」なので財務部門の責任者としては持っていなければならないものという位置付なんですね。そういう意味では、CPAのライセンスを持っていることは海外ではある意味当然なんでしょう。ということで、海外で働くのであれば、CPAのライセンスは必須でした。今はどうなっているか知りませんが、当時は自分は日本国内では話にならないので、海外に行くしかなく、そこではCPAのライセンスは必須だったということです。ちなみに、当時出張した中でマレーシアの子会社がありました。そこで経理部長をしていたのがソニーマレーシアから転職して入社してきたマレーシア人の方で、その方はMBAとCPAを持っていました。その方は入社してまだ1ヶ月くらいだったと思いますが、そのタイミングで私が連結決算の指導(というといいすぎですが親会社という立場上そういう表現になってしまいます)に行ったのですが、当時私はまだ20代前半でその部長さんは40代後半くらいだったと思いますが、熱心に私の話を聞いてくれました。その方は私が退職して間もなく退職されましたが、今でも連絡をくれて時々情報交換しています。いつかマレーシアに戻って再会したいと思います。)

体系的にビジネス周りの基礎を学べる(これもとても魅力的でした。USCPAは米国公認会計士というからに「会計」の勉強をするのだろうと思う方が多いかもしれませんが、会計という分野はほんの一部に過ぎません。私の場合は会計よりも、税務や経済などの方が苦労しました。会計士という職業は会計だけ分かっていればいいというものではありません。会計士の本業は監査業務ですが、会社の財務諸表を監査するといっても、それには様々な知見が必要で、会計だけ分かっていても総合的に監査することはできないのです。そういう意味では、会計を勉強することはもちろんのこと、その他ビジネスマンとして知っておかなければならないことはほぼこの試験に入っていると言えるでしょう。そのため色々勉強しなければならないわけですが、まとめて勉強できるしかも体系的に学習できるという意味ではとても役に立ちました。経済学や法律、倫理なども勉強しますが、これらの基礎を一気に勉強する機会というのは中々ないと思います。しかも全部英語で、です。)

どうですか。資格取得を通して学べることは沢山あります。きっと皆さんは皆さんなりの事情を踏まえて頂ければもっと取得する理由は広がると思います。

USCPA取得後の人生

さて、私自身がUSCPAを取得した後、どのような人生になったか。これを書いている時はUSCPAを取得して約5年が経過しました。色々ある中で今のところの結論は、

取得してよかった!

ということです。

良かった点は下記です。

転職できた(USCPAでないと転職できませんでした。転職先が会計士、税理士、USCPAのいずれかのライセンスホルダーを採用条件にしていたからです。)

海外で仕事ができた(現在進行形ですが、今は海外で仕事をしています。最初に書いた通り、日本の公認会計士の方はほとんどいないので、こんな私でも会計士として仕事ができています。)

はったりが効く(USCPAとはいえ、アメリカでなければ法律も違えばルールは違います。会計はIFRSに近づいているのであまり変わりませんが、その他は郷に入っては郷に従えってことで勉強した内容がそっくりそのまま使えると言うことはありません。しかし、CPAということで会社の同僚やお客さんなどにある程度信頼を獲得できます)

仲間が増えた(USCPAのお陰かどうかは分かりませんが、私が住んでいるところでは「会計士の集まり」というものがあり、会計士同士が集まってたまに飲み会やってます。そういうところに会計士で集まって情報交換するわけです。その中から仕事へつながることもままあります。そうやってUSCPAという肩書を利用して仲間を増やし、仕事をもらったり、逆に仕事を依頼したり、お客さんを紹介したり、してもらったり、と仲間が増えましたね。これが私の一番の財産になっている気がします。結局仕事なんて「人とのつながり」なんだなとしみじみと感じています)

まとめ:USCPAの取得目的は自分で見出そう

結局こういうところに落ち着くと思うんですよね。

人にとやかく言われたからUSCPAの取得をあきらめる、ということであれば自分にとってはその程度の優先順位なんだと思います。それであれば取得することはオススメしません。勉強が好きで暇つぶしということであればいいかもしれませんが、4科目もあってテキストも分厚くてそれなりに学習時間を取られるとなればそれなりに目的意識を持っていないとつらいと思います。周りが飲み会やらなんやらで楽しそうにしている横で勉強しないといけないのは結構大変です。それにUSCPAを取得したからといって、いきなり人生がばら色になるわけでなないのです。その人の利用の仕方次第ですので、それを考えてから取得するかどうか決めても遅くないと思います。でも取得すると決めたらぜひ取得するまであきらめずに頑張ってほしいと思います。その努力は決して無駄にはなりません。

頑張ってください!

ABOUT ME
ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!