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USCPAは簡単?難しい?難易度の意見が人によって違う理由を解説

USCPAは簡単?難しい?難易度の意見が人によって違う理由を解説

 

USCPAの難易度について記載されている記事の中には、USCPAは簡単だという方もいれば難しくて諦めてしまったという方もいて、USCPAは一体簡単なのか難しいのかよく分からなくなって混乱してしまった方もいると思います。そうなんです、USCPAは特殊な試験で人によって難易度が変わる少し変わった試験なのです。

試験の合格率や勉強時間等のデータについては他の方が詳しく書いていますので、ここではなぜ簡単という意見と難しいという意見が両方存在するのかを私なりに解説してみたいと思います。

USCPAの難易度の意見が人によって違う理由

私が思う理由は下記です。

勉強スタート時の基礎力の差
勉強方法の差
試験の特徴による差
モチベーションの差

難易度の比較は意味がない

よく日本の公認会計士試験や日商簿記の試験とUSCPA試験を比較される方がいます。上述の通り試験の特徴が全く違うので私としては試験そのものを比較することに意味を感じません。

一般的には、USCPAの難易度は、下記のように言われています。実際に勉強して取得した私の感想も同じです。

試験の難易度は日商簿記2級と1級の間くらい(財務会計)
解法が全然分からない問題も出題される
受験者を惑わす余計な文章が多く含まれている問題もある

また、日本の公認会計士試験受験経験者の方の中には下記のような感想を持つ方もいらっしゃるようです。

日本の公認会計士試験ほど細かい計算は出題されない
日本の公認会計士試験より難易度が高い問題も出題されている

これでUSCPAの難易度は分かりますか?
これじゃあよく分かりませんよね?
インターネットや世の中には様々な情報が溢れており、USCPAは簡単だとか難しいから諦めたとか一つの試験に対してこれほど多種多様な言われ方をする試験も珍しいと思います。日本の公認会計士試験や司法試験について「簡単だ」なんていう話は聞いたことがありませんし。

なぜこのような現象が起きてしまうのか下記に私の分析を書いてみたいと思います。

危険!高い合格率に騙されてはいけません!USCPA試験の位置付け

USCPA試験が簡単だという方のその理由の一つに合格率の高さがあげられます。確かに日本の公認会計士試験や税理士試験などと比較すれば、合格率自体は高いように見えます。しかし、「合格率が高い=簡単」というわけではありません。それはUSCPA試験の受験者は千差万別だからです。

USCPA試験の受験者の特徴としては下記が言われています。

日本では色んな人が受験する
アメリカでは会計専門の人が受験する

昨今のUSCPAブームにより、USCPAの受験者層は大きく広がったように思います。USCPAを取得すれば転職に有利になるとか海外で就職できるといった転職支援企業や予備校の広告宣伝効果もあり、日本では公認会計士試験なんて一部の限定された人しか受験しないのに、USCPAは業種や職種に関係なく受験者が存在することが特徴的です。業種や職種が入り乱れている中では、勉強スタート時の土台も当然バラバラですので、例えば日本の公認会計士の資格を保有している方からすれば基礎力がある分間単に見えるでしょうし、営業など全く簿記や会計を知らない人が勉強をしていけば会計の考え方などが分かっていない場合はとても難しく感じることでしょう。

また、アメリカではUSCPAは監査法人に入社してから働きながら資格取得を目指すと言われています。つまり、会計の勉強を大学でみっちり行い、監査人になるためにどうしてもUSCPAを取得しなければならない人たちが受験する資格です。つまり、受験者は皆会計士の卵なのです。基礎力がある程度ある方が受験者の分母ですからそれなりに勉強を積み上げてきている人であるため合格率も高くなりますね。

つまり、合格率が高いから、そんなに勉強しなくても簡単に合格できる!というほど甘い試験ではないということです。ここを勘違いしているといざ勉強を始めてみると結構難しく感じてしまい、挫折することになります。

予備校などの広告宣伝に乗せられないように注意しましょう。

ではどんな違いからこのような難易度の認識の差が出てしまうのか。次に解説します。

スタート時の基礎力が違う(会計&英語の基礎力)

これは大きいと思います。下記基礎力がある方は有利です。

日本の公認会計士、日商簿記、BATIC経験者、経理財務実務経験者
英語力(スピードリーディング、ライティング)

会計基礎力はあった方がいい

やはり会計はほぼ世界共通の概念なので、簿記を勉強されたことがある、そもそも仕事で使っている、という方はとっつきやすい試験でしょう。英語で学習する必要はあるものの、会計の概念を理解しているのとしていないのとではその後の勉強に対する効率が全然違います。そういう意味では、会計に全く触れたことがない方は、USCPAをいきなり勉強するよりは、日商簿記3級から焦らず始めた方が結果的に近道な気がします。

ちなみに、現在USCPAとしてフィリピンで働いている私も、大学は文学部、というか水泳部(笑)、大学時代は授業に行かずバイトと部活に明け暮れていたため、簿記の「ボ」の字も知らない典型的な大学生でした。それが新卒で入社した会社で配属先がなんと「経理部」。周りは経済学部やら商学部やらなにやら大学で「ボキ」とやらをちゃんと勉強してきたツワモノばかりで、文学部出身の経理部員なんて私だけだったと思います。先輩がなにやら難しい話をしています。「お前、仕訳入れとけ!」とか。なにそれ??しやく??カリホウ?カシホウってなんだ??こんな有様でした。そんな私が最初に任命された仕事はTACの簿記3級講座への申込書を書くことでした。そう、簿記が分からないと仕事にならない(使い物にならない)ということでまずは学校行って勉強してこい!というのが私の最初の仕事(?)となりました。当時は体育会系で、なんと簿記に合格しなければ即刻坊主にしろと言われました。今では考えられませんね。会社に入ったはずがまた学校通い、しかも坊主にさせられるなんて部活みたい。なんだか学生の続きのような感じでスタートしましたが、これは今でもよかったと思います。やはり何事も基礎は大事なので、会計を知らない方、「仕訳」「借方」「貸方」の読み方が分からない方などでUSCPAを目指している方はぜひ簿記3級から始めてみてください。遠回りのようかもしれませんが、1ヶ月もあれば概要は掴めると思いますので焦らずじっくり取り組んでみてください。

USCPA合格後、海外で働いてみたい、フィリピンを考えている、会計の職種に転身してみたいなどという方は下記の記事も参考にしてみてください。

USCPAとして突然退職し、フィリピンへ移住した理由

フィリピンに会計のプロが少ないのはなぜ?

USCPA合格者必見!フィリピンならUSCPAで学んだことを生かして転職できます!

経理の実務経験があるUSCPA合格者は海外でコンサルへの転身をお勧めします!

英語力はそこそこでも大丈夫です

USCPAを目指そうと考えている方の中には、英語力に不安があるため、USCPAの勉強を始める前に英語力を先に付けた方がいいのか迷っている方もいるでしょう。

英検準1級かTOEIC800点くらいの英語力はあった方がいいでしょう。でもそこまで神経質になる必要はありません。USCPA試験の英語はそこまで難しく書いてあるわけではなく、文章もそれほど長くはありませんので大学受験を経験された方であればたぶん改めての英語の勉強は不要と思います。USCPA試験はアメリカの試験ですので当然ながら日本語が出てくることはありませんが、「英語の試験」ではありませんので言い回しも分かりやすし、日本の英語の試験のような変な言い回し(?)などもありません。実にきれいなというか分かりやすい英語で書かれていますのでUSCPA試験のために敢えて英語を勉強し直すことはしなくていいと思います。

ただし、USCPAはエッセイ(ある事象について自分の言葉で説明する問題)が出題されますので、ライティングは不安がある方は少し勉強しておいてもいいかもしれません。ただ、だからといって「ライティングの参考書」を行うまではする必要はないと思います。もちろん純粋にライティングを勉強するのであればとても良いと思いますが、USCPAに合格することだけを考えた場合はきれいなネイティブのような文章は掛けなくても十分合格できます。それよりも設問に対する回答を要点をこぼさずまとめ上げる力の方が大事ですのでそれは問題を解きながら自分の回答案パターンをいくつか用意して、「こう聞かれたら、このパターンで回答する」といったような準備ができていればOKです。

ただ、英検3級もままなりません・・・という方がいればそれはさすがにちょっと英語そのものの勉強はした方がいいでしょう。英語の勉強方法については別途書きたいと思います。

ちなみに、私は今フィリピンでUSCPAとしてコンサルとして働いていますが、フィリピンでは英語を使ってビジネスができるのでとても便利です。しかし、英語が英語で聞こえない時期がありました。USCPA合格後、海外で働いてみたいと思っている方は合格後の参考に下記をご覧ください。

USCPA取得者はコンサルへ転身し、海外で働くことができる理由

USCPA取得者で経理経験がある方へ。あなたは海外で引っ張りだこです。

フィリピンで初日からトラブル!英語が英語に聞こえない!英語が理解できない!

勉強方法の違い

ここでも難易度の差が出ると思います。というか自分に合った勉強法を選択できているかどうかといってもいいかもしれません。少しググってもらえれば分かりますが、USCPAの勉強には下記の2種類が王道です。

マルチを解きまくる人(めっちゃ時間必要)
教科書を読み込みまくる人(時間は限定的、あんまり練習できない)

マルチを解きまくる人(めっちゃ時間必要)

USCPAの勉強法としてはこちらが王道かもしれません。プロアクティブは毎日100問のマルチプルチョイスを解くことを推奨しています。USCPAの本番の試験では、マルチプルチョイス式項目において、30問で1つのテストレットで、それを3回行いますので合計90問をこなす必要があります。つまり、毎日本番で出題される以上の問題を繰り返すことで体に(脳に?)負荷をかけ、本番の試験を乗り越えようという戦略です。試験なんて所詮答えがあるものですから、それであればできるだけ早く答えにたどり着いた方が勝ちですね。そのためには回答への最短距離を進むのが効率が良いため、その回答への導線を強化する意味では大変理にかなっていると思います。また筋トレのように本番以上の負荷を練習中にかけるのですから本番ではスイスイできる可能性があるということは心理的にも楽です。

ところが!です。

まあ皆さんも想像できると思いますが、これをこなすのは並大抵の精神力ではありません。1問につき概ね90秒、慣れてくれば60秒くらいで解ける、というか解かなければ本番では時間が足りなくなります。ということは、90秒×100問=9,000秒=150分ですから、答え合わせをすることも考えれば概ね3時間はかかるという計算になります。毎日3時間をマルチ100問のために費やせるなんてすごすぎます。

予備校の先生がやれって言ったから、愚直に素直に遂行できる人もいると聞くと本当にすごいなあと思います。私も漏れずにこの話は聞いていましたが、やってみればわかりますが、到底私にはできませんでした。せいぜい20問、多くても30問が1日にこなせる限界でした。だって、通勤電車の中では満員電車で立っているのがやっとだから電卓なんてたたけないし、会社の昼休みは誰かが見ていて集中できないし、帰ったら疲れていてそれどころじゃないし、私は経理部にいたのでしかも上場企業だったので3ヶ月に1回は一か月に150時間ほどの残業をこなさないといけなくてしかも土日出勤も当たり前。そんな中で1日3時間コンスタントに100問解くなんて無理でした。もちろん私の精神力が足りなかったと言われれば何も言えませんが、体も心もしんどかったのでこの作戦は早々に諦めました。

この方法を否定するつもりはありませんし、できる人ならこれをやった方がもっと楽に早く受かったかもしれません。なので、最後の追い込みではとても効果的と思いますのでまずはこちらをチャレンジしてみましょう。

でもUSCPA自体を諦めたわけではありません。絶対受かってやる!

この気持ちだけは捨てなかったので、もっと効率がいい(というかマルチ100問作戦以外の方法)方法があるはずだ。そう思って行きついたのが次の作戦でした。

教科書を読み込みまくる人(時間は限定的、あんまり練習できない)

本業の忙しさと私の精神力の低さのためにマルチ100問作戦は挫折しました。しかし、試験の合格を諦めたわけではありません。試験自体は何度も(10回以上!)受けましたのである程度本番試験の感覚は掴んでいました。そこで思ったことがあります。それは、

マルチで練習した問題が出題されていない

ということです。

あれだけ色々なテキストを見て練習してきましたが、同じ問題はなかったのです。そう、マルチ100問を練習しても受かる人と受からない人が出る違いが分かった気がしました。つまり、問題の論点を抑えた上でその論点を意識して100問を回したか、それとも単純に何回も同じ問題を早くこなしただけなのか、この意識の違いが合格と不合格を分けていたと思われます。

つまり、問題数をこなしたからといって合格に直結するわけではないのです。これは数回不合格になった後に気が付いたことでした。それからというもの、この分野の本質は何か、この問題が試したいことは何か、というAICPA側の意図というか解かせたい論点というかそういったことを1問ずつ意識して練習するようにしました。

もっと言ってしまえば、マルチプルチョイスの練習なんて最終的には不要なのではないかと思うまでになりました。ある意味論点の確認に使う程度で十分かと思います。なぜなら、

同じ問題は出題されないから

です。でも、

同じ論点は何度も出題される

と言うことも事実です。

つまり、論点さえ掴んでしまえばもうその章は勉強が終わったと言っていいです。

そして、論点というのは通常予備校のテキストで全部網羅されていますから、予備校の先生が指摘したところだけをじっくり抑えていけば必然とマルチプルチョイスも解けるようになっているはずです。1つの論点でも角度を変えれば類似問題が何問も作れてしまいます。であれば、論点を抑えることに集中した方が結果的に効率がいいと言うことです。

予備校はすごいですよ。日々USCPAに合格させることだけを考えていて、研究していますから予備校のテキストは馬鹿にできません。正直書籍は結構ビビり(?)なのであれも出るかもこれも出るかもってことで結構分厚いテキストになっているので分量がものすごいことになります。だって、出ないと言って出てしまったら色々文句言われるでしょうからね(笑)。でも予備校はそりゃ出ないとかいいきれないけど、出たとしても

合否に影響がない程度ならあえて勉強しなくていい

ということもあるのであくまで短期合格を狙っていて、高得点で合格する必要がないのであればそんな論点はやらないでも十分合格できるでしょう。

みなさんいですか、75点でも90点でも合格は合格です。でも74点はダメです。だから75点と90点はぶっちゃっけ一緒ですけど、75点と74点は天と地ほど違うんです。だから75点を狙う勉強をしたいか90点を狙って勉強するかで大きく工数が変わると言うことは抑えておいた方がいいでしょう。そして、できれば75点を狙って勉強した方が早くしかも効率よく勉強できるということです。

そのためには、AICPAの論点を抑えること。つまり、AICPAが何を試したいのか、どんなことをUSCPA入門者に分かってもらいたいのかを把握することが大事であり、それを把握するためには予備校のテキストで先生が「ここは出るよ!」といった部分を徹底的に抑えていく、逆に言えばこれは出ないとか重要じゃないといったところは勉強しない、といったくらいのメリハリをもって勉強していくことでマルチ100問の呪縛から逃れられると思います。

米国公認会計士(USCPA)を独学で取得することをお勧めできない理由

試験の特徴(日本の試験では有り得ない現象)

人によって難易度の意見が違う理由は、試験の特徴にもあると思います。

USCPAとJCPA試験の位置付けの違い

アメリカではUSCPAは会計のプロへの登竜門である試験という位置付です。つまり、USCPAの試験自体は公認会計士になるための入り口に過ぎない試験であるということです。だからUSCPAに合格したからといっていきなり公認会計士としてバリバリ働けるというものではありません。あくまで公認会計士になる素地があるというか公認会計士として生きていく上での入り口に立てたということであり、これから実務経験を積んでいかなければ公認会計士として生きていくのは難しいでしょう。アメリカでは入り口は広く、出口は狭く、といった感じです。

逆に日本の公認会計士の試験はどうでしょうか。日本の国家試験は公認会計士に限りませんが、どれも非常に狭き門ですね。日本の国家試験は入り口でものすごく絞っているので勉強したとしても必ず合格できるかは分かりません。

ですから、USCPAはUSCPAになれる基礎があるかを測る試験であり、その素養があると判断されれば人数に制限なくUSCPAになることができます。逆に日本の公認会計士は定員を限定しているので、定員に収まるように合格者を絞り、それ以外の人を落とすための試験というわけです。つまり、日本の公認会計士試験は受験者の実力に大いに左右される傾向になり、受験者全体の能力が低ければ、合格できる可能性は高まるかもしれませんが、受験者全体の能力が高ければ、いくら自分が点数を取れても不合格となる可能性があるのです。そういう意味ではどういう受験者層がいる年に受験するかということが合否を分けるポイントともなりそうです。そういう意味では運も味方につける必要もあり中々難しい試験ということになりそうです。

USCPAの試験の特徴

USCPAは下記の2つの特徴があります。

・試験は人によって出題される問題が違う
・正答率によって次のテストレットの問題が違う

順番に説明します。

試験は人によって出題される問題が違う

これはJCPAにはない特徴ですね。なんと隣で受験しているUSCPA受験者が解いている問題と自分が解いている問題が違うということです。これはUSCPAがストックされている問題からランダムに画面に表示しているためで、同じ論点であっても複数の問題がストックされているので、例えば、「FARの貸倒引当金」の論点であっても、BS残高を問うのか、今期の繰入額を問うのか、戻し入れ額を問うのか、など色々な出題パターンが用意できますよね。つまり、貸倒引当金はFARを受験する方であれば必ずと言っていいほど出題される論点ですが、その出題される問題形式はコンピュータが選ぶので隣の人の出題形式とは異なる可能性があるということです。

これにより、貸倒引当金のBS残高を算出する問題ばっかりを解いて勉強してきた人が、いきなり本番で繰入額を問う問題を出題されると自分が一生懸命勉強してきた問題と少し違うので「難しかった」という反応になってしまう可能性があるのです。逆にBS残高を求める問題が出たら「練習通りの問題で簡単だった」という反応になるでしょう。

どちらも「貸倒引当金」という論点なのですからどの数値を聞かれても答えられるようにしておかないといけませんね。

正答率によって次のテストレットの問題が違う

これはUSCPA最大の特徴かもしれません。

USCPAのマルチプルチョイスは30問のテストレットが3回出題されます。なんと最初のテストレット30問の正答率によって、次の30問のテストレットの難易度が変わるのです!どう変わるかというと、最初のテストレットは受験者の実力が不明ですので標準的な問題が出題されるようになっているそうです。つまり、簡単でもなく難しくもない標準的な問題です。そして、その最初のテストレットで高得点を取れた方は「この受験者は実力があるな。ではもう少し難しい問題を多めに出そう」というようにコンピュータが判断し、次のテストレットでは少し難しめの問題が多めに出題されます。逆に最初のテストレットで点数があまり取れなければ、「この受験者はあんまり分かっていないようだ。ではもう少し基礎的な部分の問題を多めに出して最低限の理解があるのか試してみるか」というようにコンピュータが判断し、次のテストレットでは少し基礎的な問題が多めに出題されます。基礎的というのは簡単ということではありません。論点は同じですが、聞き方を易しくするというか直球で聞くような設問に変えるといった感じです。

あくまで試験ですから出題範囲を変更したり、論点を変えることはできません。ですから、問題の切り口というか角度を変えることで問題の難易度を調整しているのです。ですから、論点が完璧に理解できている方であれば、どの切り口、どの角度から聞かれても、論点が同じであればスイスイ回答できるようになっています。逆に論点が分かっていないと切り口や角度に振り回されて正しく回答に導けないということになります。

これでお分かり頂けたと思いますが、最初のテストレットで高得点を取得できた方は次のテストレットで難しめの問題に当たり、その結果「難しかった」という反応になるでしょうし、逆に最初のテストレットであまり得点を取得できなかった方は次のテストレットで易しい問題に当たり、その結果「簡単だった」という反応になるでしょう。でもここで分かるのは、難しい問題に取り組んでいる方ほど正答率が高いため合格に近いと言えることです。逆に易しい問題ばかり出題される方は正答率が低いため後半のテストレットで相当頑張らないと合格は難しいでしょう。このため、解いている時の感覚と合否のズレが生じるのです。

ちなみに、どんな問題が難しくてどんな問題が易しいかは勉強した方ならきっとわかります。それの区別ができないならまだ勉強不足です。これが分からないと、どの問題を捨てても大丈夫なのか、どの問題は絶対正解しないと不合格になるのかが分からないので合格は遠いでしょう。

USCPAとJCPAの両方の試験を受験された方の中には、USCPAではJCPAよりも難しい問題が出た、と言われる方がいます。これはその方がかなりの正答率を叩き出しているため、後半のテストレットで超難問(80点の人を90点以上で合格させるための問題)が出題されたものと思われます。しかし、私だったら、このような問題は「捨て問題」と判断します。一切問題を読むことはありません。解かないなら問題を読むことすら無駄です。だってその問題に解けなくても既に80点確保できていますから、その問題が解けたら90点、解けなくても80点なので、合否という意味では全く影響がありません。それよりも、74点になってしまうような問題の見直しに時間を掛けるべきです。75点と74点の境目に関わるような問題は絶対に失点してはなりません。これを落としているようだと絶対USCPAに合格できません。どうしても合格できない人はこの見極めを慎重に行うこと、そしてなによりその見極めができるくらい試験を研究することです。

モチベーションの強さ

最後に、USCPAの難易度はモチベーションの強さによっても難易度が変わると思っています。

USCPAは簡単だとかJCPAより楽勝とか色々な意見がありますが、それでもある程度は勉強しないと結果が出ません。なにせタウンページみたいな電話帳サイズのテキストが4冊です。モチベーションがない方はこのテキストの厚さを見ただけでやる気がダウンしてしまうでしょう。

そりゃそうです、私も最初にテキスト4冊を見たときには驚きました。これを勉強しないと合格できないのか・・・しかも1日100問毎日やれって・・・。無理っしょ!!

これが私の感想でした。それから何度も試験を受け、不合格を味わい、そしてどうやったら合格できるのか・・・。とても不安になったのを今でも覚えています。そんな中でも一度も「もう試験を受けるのはやめよう」と思ったことはありませんでした。なぜならその時自分は経理部で働いており、何としても名刺に書ける資格が欲しかったからです。また、「英語+会計」を証明するものが欲しかったからです。

すぐに合格できる人はそれはそれで素晴らしことです。でも私のように何度も試験に落ちて、どうしたら合格できるか分からなくなった人にとっては、モチベーションの強さは合否を分ける最大のポイントと言っても過言ではありません。

USCPAは簡単です。なぜなら努力すれば必ず合格できるからです。でもそれは試験が簡単という意味ではありません。「USCPA=簡単」という予備校などの宣伝文句に乗せられ、USCPAを舐めている人が受験するとそのギャップに苦しむことになります。ですから、自分なりのUSCPAへのモチベーションが合否のカギと言えるでしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

USCPAの難易度は本当に人によって違う理由がお分かり頂けたかと思います。

勉強スタート時の基礎力
勉強方法
試験の特徴
モチベーション

これらを念頭にUSCPAを目指すかどうか、検討してみることをお勧めします。

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米国公認会計士(USCPA)を独学で取得することをお勧めできない理由

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ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!