最近はグローバル時代という大きな流れの中で、海外で働く日本人も増えてきた気がします。
私自身も2015年から日本を飛び出し、フィリピンでUSCPAとして仕事をしています。
私自身が海外移住して分かったことがあります。
それは日本は特殊な国であるということです。
日本では当たり前だと思って気にもしていなかったことが、海外では当たり前ではなかったのです。
このギャップこそまさに日本人が海外で働ける理由であると確信しています。
日本での当たり前の感覚と海外での習慣を埋めることがまさに日本人が行うべき仕事です。
日本人は海外で働けるのか?
これは最初の書き出しにある通り、YESです。
ただし、仕事が選び放題というわけではないことがポイントです。
そう、日本の感覚と海外での習慣のギャップに対する穴埋めをする仕事であるということが必要です。
これはなぜか。
日本人が海外で働くということは、その国の仕事、雇用を奪うということを意味します。
日本人1人を採用することで、現地の雇用数名分が犠牲になるのです。これはその国の国民からしたらとんでもないことであり、はっきり言って邪魔な存在なのです。
だから、現地の人でもできる仕事というのは基本的には日本人は仕事をすることはできないのです。外国人が現地の国民の就労機会を奪ってはならない。これが海外で働く大原則です。
ということは、現地国民の就労機会を奪わない、むしろもっと就労機会を増加させたり、スキルアップをさせたり、技術を伝授させられるようなそんな仕事であればその国にとっても大歓迎ですよね。
そう、そういったその国にもプラスになる、利益になるような分野の仕事であれば日本人でも海外で働くことができます。
日本人が海外で働ける仕事とは?
さて、ここまでの話を踏まえると下記のような仕事が日本人が海外でも働ける仕事と考えます。
カウンターパート(顧客)が日本人である商売
日本のマーケットへの進出したい企業/個人向けの商売
アジアへのを考えている企業/個人向けの商売
下記に順番に解説します。
日本人を相手にする商売
これは分かりやすいと思いますが、その国に住んでいる日本人を相手にする商売です。
具体的には、日本食屋やスーパーなど個人消費者向けのビジネスに絡むもので、板前さん、接客、買付など日本人はどこに行っても日本のサービスを求める傾向にあるので、そのような方向けの仕事ですね。
もちろんホールなどは現地の従業員に任せることになるでしょうが、日本的なサービス、例えばお客さんがお店には言ってきたら「いらっしゃいませ!」って呼びかけたり、注文を取る時には「はい、喜んで!」とかこういう小さな部分はまさに日本独特のおもてなしサービスです。
こんなの海外にはありません。
しかし、日本人ならやっぱりお店に入ったら元気よく声掛けてほしいですよね。
こういう細かい部分のサービスは日本人にしかわからない部分なので、こういうところの「指導」を日本人が担当します。まさに日本と海外のギャップを埋める仕事の代表です。
カウンターパート(顧客)が日本人である商売
これも日本人が行うべき仕事です。
車の業界や電子機器の業界などでは、「安いところで物を作る」とか「販売するマーケットで物を作る」ということが最近の傾向で、日本企業も海外に進出しています。
日本企業はサプライチェーンと言って、例えばトヨタが海外に出るからトヨタに部品を納めている部品メーカーもトヨタと一緒に海外進出する、その部品メーカーに納めている部品メーカーも一緒に出る、と言った感じでまさにチェーンのように一体的に海外に進出しています。
こうなると、海外とは言えお客さんは日本にいる時と変わらず日本のお客さんなのです。
となると、日本にいた頃と全く同じ品質や納期を求められるわけです。
日本にいれば、以心伝心というか日本人の間での当たり前や常識でなんとか乗り越えられてきたものでも、海外に行けば同じようにはいきません。
日本の常識は海外では通じないからです。
でもお客さんは海外だからと言って許してくれません。
日本にいた時に出来ていたことと同じことを要求してきます。
まさにここの点において日本の常識、やり方が分かっている日本人が必要なのです。
お客さんが求めることをかみ砕いて現地の社員に伝え、何度も教えて、やって見せて、指摘して、励まして、褒めて、、、といった日本では常識なことを徹底的に教え込むのです。
これは日本のやり方や日本人の感覚を知っている日本人でなければできないのです。
これこそ日本人が海外で行うべき仕事です。これは現地の社員には絶対にできません。もちろんこれを現地の社員にできるようにするのが日本人の役割にはなるのですが・・・。
日本のマーケットへの進出したい企業/個人向けの商売
こちらも前出の仕事に似ていますが、逆に日本への進出を事業機会ととらえている企業や個人向けの仕事です。
日本人は品質にうるさく、細かいため企業の視点でのマーケットとしてはハードルが高かったようです。
しかし、最近になっては海外でもそれなりの高品質なモノや面白いサービスが生まれつつあるので、そのような海外発祥の商品やサービスを日本人向けに展開したいというニーズがあります。
このような時にもまさに日本人の出番です。
海外の企業は日本人が気に入るのか、気に入らないならどういう点で改良が必要なのか色々知りたいことでしょう。
日本市場に投下するのだから日本人が買ってくれるモノやサービスに仕上げないと意味がありません。
その視点ではどう頑張っても日本人でなければ分からないのです。
そういう日本人であるということがそのまま付加価値になるような仕事は日本人が海外で働ける仕事です。
アジアへのを考えている企業/個人向けの商売
これは意外かもしれませんが、程度の差こそあれアジアであれば日本人はそれなりに動きやすいです。
私がいるフィリピンにおいても、先人達の努力のお陰もあって日本人にとってはとても過ごしやすい国です。
やはり日本人はアジアの一員なので、アジアの国の人々とはなんとなく意思疎通が取りやすい印象があります。
昔私がマレーシアに出張した際、マレーシアの現法の社長さんが面白いことを話してくれました。
「アジアでのマネジメントと欧米でのマネジメントは全く違う。」
要するに、アジアで経験を積んだ人はアジアであれば基本的にどこでもなんとかなる。
しかし、欧米で経験を積んだ人はアジアでは全く通用しない。逆もまた同じ、ということだそうです。
これの意味はその時はよく分かりませんでしたが、最近になってなんとなく体で分かるような気がします。
私はフィリピンに住んではいるものの、周辺国にはよく出張に行きます。
タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ベトナムなど、フィリピンから数時間で行けてしまうので週末だけ行くこともよくありますが、ほとんど違和感はありません。
もちろん言葉は違うのですが、その国の空気というか雰囲気というか人と接していても海外に来たという独特の感覚があまりないように思います。
逆にヨーロッパに行くとやはり緊張します。
空港に着いたときからなんとなく違う目で見られているような気がしますし、街中を歩いていても、レストランに入ってもなんとなく日本人、アジア人であることを思い知らされます。
いいとか悪いとかではなく、違和感のようなものを感じるのです。
ということは、欧米人からしたら逆でしょうから、そう言った意味ではアジアは日本人の方が適していると思いますので、欧米企業からしたらアジアは日本人に任せようとなりますね。このにも日本人としての働き口があるということになります。
日本人が海外で働くために必要なこと
日本人が海外で働くチャンスは、限定的ではあるものの、まだまだ多いということはお分かりになったと思います。
ただし、日本人が海外で働くためには条件があります。
それは「日本人であることを忘れないこと」です。
今まで読んで頂いた方には分かるはずです。
日本人が海外で働けるのは、まさに日本人であるからであり、日本人の感覚を持っているからなのです。
たまに日本人なのに日本人らしさを忘れてしまった人を見かけます。
本当に残念です。きっと海外生活が長い方なのでしょう。
現地化した方が楽に生活できたかからなのかもしれません。日本人の精神を保ちながら生活するのが大変だったのかもしれませんし、本人が知らないうちに体と精神が現地に馴染むように変化したのかもしれません。
ですが、日本人が海外でも働ける理由は、日本人の感覚が特殊であり、海外とのギャップを埋めるために必要だからです。このギャップが分からないのであれば日本人として働くのは難しいでしょう。
ですから、私としては下記をキープしてほしいものです。
日本人の感覚を忘れないこと
文化の違いを認め、ある程度相手に合わせることがあっても日本の文化習慣は崩さないこと
日本人として堂々と自信を持って振舞うこと
英語が多少できること
まとめ:日本人は海外で働けます!経験値と覚悟を持って頑張ろう!
いかがでしょうか。
日本人がいかにして海外でも働けるか感覚をつかんで頂けたら嬉しいです。
最初は日本との違いに苦しむと思います。うまくいかないことしかないと思います。
でもそれこそあなたの価値なんです。その苦しさがギャップあり、あなた自身の付加価値なんです。
それを忘れず、なんとか乗り越えて日本のために、その国のために頑張ってください!
あなたの努力が日本を、その国を、そして世界を助けることになるのです。
応援しています!
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