フィリピンで税務調査が多発しています!
コロナ禍で財政出動もあり税収がピンチです。
元々税収は少ない(足りていない)ですが、コロナ禍で拍車がかかっています。そんな中、私のクライアントさんから沢山連絡をもらいます。「いきなり税務調査依頼が来た」と。
きたーーー!税務調査!税務調査の依頼がきたということを聞くたびにいつも思います。
「あー、あそこのRDOは予算足りてないんだなあ」
そう、フィリピンでは徴税は各RDO(国税庁の支局ですね)に割り振られ、さらに各税務調査官一人一人にノルマが課されています。そう、国税庁の職員とはいえ、営業マンのようです。予算達成できなきゃボーナスなし!みたいな感じでしょうか。
そんなこんななんで税務調査官は必死なわけです。だって自分が予算達成しなかったら家族から何を言われるか分かりません。お小遣いなし!とかかーちゃんに言われたらつらすぎます。
ということで、税務調査官はできるだけたくさん税金を取りたいのです。しかも税務調査官は少数精鋭(?)なので人数が少ないです。従って、一人当たりのノルマは結構な金額と思われます。
そうなると、1社に何時間もかけていられないわけです。となるとどうするか?
そう!たくさん要求するわけです!しかも調査したら時間かかって大変ですからできるだけ調査はしない。でもたくさん取りたい!つまり、楽して稼ぎたいってわけですね。
日本人からしたら有り得ないかもしれませんが、フィリピンの税務調査ではこんだけ取れたらラッキー!くらいの軽ーい感じで要求してきます。
日本とは全然違うんじゃないでしょうか?
ところが日本人の経営者からしたら、「やばい!コクゼイチョウから徴税のレターが来た!ちゃんと払わなきゃ!」
こう思うことでしょう。そう、日本人は素晴らしいですね。お国のために税金はちゃんと払うのが企業の責任である、とまあこんな感じでしょうか。
はい、この考え方自体は私も賛成です。よその国の土地を借り、ビジネスをし、人材までお借りしている身でありながら税金を踏み倒すのはよくありません。
しかし、です!
本当は100万円しか払わなくていいものを、1億円払え!って言われたらどうですか?
しかもちゃんとした根拠なしに、ですよ?
しかも場合によっては、一部を自分のポケットに入れて、自分は高級車とか買っちゃうんですよ!?さすがに「そりゃないよー」って思いませんか?
そう、私が言いたいのは、払わなければいけない税金はちゃんと払う、でも払わなくていい税金は払わない、ということなのです。
そのため、税務調査の依頼が来ても慌てず、まずは深呼吸しましょう。
そして、徴税依頼のレターが来たら中身をきちんと確認しましょう。
きっと「なんだこりゃ?なんでこんな税金がはっせいするんだ?」と思われる部分があるでしょう。そこはきちんと税務調査官に問いただすべきです。
このステップを踏むだけでも当初要求されていた税額の半分くらいになることもあります。もっと精査すれば3分の1くらいになるかもしれません。
だって相手は精査している時間はないのです。そもそも精査していないのですからちょっと確認するだけでかなり間違った指摘をしていることが分かったりします。
それでも英語が不得意な日本人経営者は、よく分からないから言われた通りに払ってしまうケースも多いと聞きます。私としてはとても残念です。これを繰り返せばブラックリスト入りし、毎年同じような手法で税金を取られるかもしれません。それでは後から新しく進出してくる日系企業にも迷惑が掛かりますし、なにより日本が舐められます。
めんどくさいのはよく分かりますが、日本の名誉のため、後輩の企業のため、そしてなにより健全な競争市場、フィリピンのためにもぜひきちんとした納税をお願いしたいと思います!