ビジネス環境

フィリピンへの進出方法(外国からの投資方法)

フィリピンには様々な新規進出方法が存在するが、流れは同じである。フィリピンの大変なところは完全に縦割り行政であり、各役所が全くと言っていいほど連携していないところだ。自前でやることは相当な覚悟が要るため、多くの場合は現地のコンサルティング会社を使って行うことが多い。

日系企業の場合は、現地法人、支店、駐在員事務所の3パターンが進出の方法として多い。

手続きを行う役所は全て共通だ。以下の順序で進めていく。

①証券取引委員会(SEC)へ登記の申請

②バランガイへの事業許可登録

③市役所への事業許可登録

④内国歳入庁(BIR)への事業登録

⑤中央銀行(BSP)への外国投資登録

それぞれの役所において順番に説明していく。

①証券取引委員会(SEC)へ登記の申請

法人でも支店でも、全てはSECへの登録から始まる。SECはフィリピン全国の登記を取り扱っている省庁である。個人的にはフィリピンの政府機関の中でも中々しっかりした機関だ。最近オンライン申請に変わってから、早くなるかと思いきや逆に手続きが遅くなった。昔は全てマニュアルであったが、申請から登記完了まで約2週間でできた。今はオンラインになり、約2ヶ月のリードタイムが必要だ。コロナ禍で若干混乱気味なので要注意だ。

②バランガイへの事業許可登録

バランガイというのはフィリピンでの最小行政単位の呼称だ。バランガイとは「帆船」の意味で、スペイン統治時代より前に、マレー人が帆船に乗ってフィリピン諸島に移り住み、そのままバランガイ単位で集落を形成したという。日本でいうところの、町村といったところだ。要するに、SEC登録が終わったら、ビジネスを行う町村のトップの人(バランガイキャプテンという。さすが帆船ですね)にここで事業を行うんで宜しくお願いしますということで許可を得る必要があるのだ。この許可の「バランガイクリアランス」という。バランガイにもよるが私の経験ではバランガイクリアランスを得るのは申請から約1週間だ。場合によっては翌日に入手できることもある。仲よくしよう。ちなみに、SECの登記証明書がないとバランガイで手続きしてくれないので、これは必ずSEC登記の後の手続きとなる。

③市役所への事業許可登録

次は市役所だ。これもSECの登記証明書とバランガイクリアランスがないと処理を進めてくれない。市役所の市長さんからビジネスを行うための許可をもらう。これをビジネスパーミットとかメイヤーズパーミットという。まさに市長さんからのお墨付きと言うわけだ。申請から約2週間だ。ただし、事務所の内装工事を行う場合は市役所の登録は工事後となるので要注意だ。ここはフィリピンらしく中々複雑な部分であるので、今回は解説は控える。

④内国歳入庁(BIR)への事業登録

SEC、バランガイ、市役所から許可が出れば最後は税務署だ。税務署は各地方にRDOという管轄税務署があり、法人登記の住所を管轄している税務署に行って事業登録を行う。なお、その後、法人や支店であれば、請求書や領収書などを税務署が提携している印刷会社に頼んで印刷してもらう。また、帳簿もBIR指定の帳簿を使用することになっているので要注意だ。申請から発行まで3週間程度だ。

⑤中央銀行(BSP)への外国投資登録

最後はBSO登録だがこれは任意の登録だ。ただ、個人的には必ず登録しておくことをお勧めしている。これはBSPが両替サービスを提供してくれるので、配当時などにいちいちペソから外貨に両替する必要がない。フィリピンでは銀行システムを通してペソから外貨へ両替するのは結構大変なのだ。外貨からペソへの両替は簡単だが。

ざっとフィリピンでの登記方法を解説した。

私の経験では概ね3ヶ月~4ヶ月でここまでたどり着く。BIRの登録が完了していないとビジネスを始めることはできないので、すぐにビジネスを始めたい企業は早く処理を開始しなければならない。

なお、ここまではどんな企業でも必須となる手続きである。もし特殊なビジネスで別途専門の省庁からライセンスを取得する必要がある場合は、BIRの登録以降にさらに各種省庁からライセンスを取得しなければならない。

例えば、輸入ビジネスをするなら、税関から輸入ライセンスを取得する必要があったりする。工事をするビジネスなら、建設業許可委員会(PCAB)から工事の規模に見合った工事ライセンスを取得することになる。

冒頭に申し上げた通り、どんなライセンスを取得したらいいかは誰も教えてくれない。というか自分の省庁のことしか分からないので教えられないといったところか。というわけで、何か特別な事業を行う場合は、どんなライセンスが必要なのかはきちんと調べた方がいい。場合によっては外国企業は取得できないライセンスもあったりする。

このあたりの煩雑さを多少解決してくれたのが経済特区庁(PEZA)であったが、今回は割愛する。

ルールを守って気持ちよくビジネスしましょう!

ABOUT ME
ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!