USCPAのフィリピンライフ
USCPAに必要な会計知識

USCPA学習に必要な会計知識は?[どこまでできたらUSCPAの勉強を開始すればいい?]

USCPAの学習をスタートするためにはどれくらいの会計知識が必要なのか不安に思っている方もいるでしょう。私は今はUSCPAとして仕事をしていますが、USCPAの学習を始めた時は上場企業の経理部で働いており、日商簿記2級を取得していました。今回は私の経験を踏まえた上で、USCPAの学習を開始する際必要な会計知識について考えてみます。

USCPAを受験するために会計知識は必要なのか?会計知識なしでも合格できるって本当?

結論から言います。会計知識がなければUSCPAの合格は無理です。だからある程度の会計知識は必要です。予備校の甘い謳い文句に騙されてはいけません。USCPAはアメリカの公認会計士の資格ですからそんなに簡単に取得できるほど甘いものではありません。

会計知識というのは非常に膨大です。簿記や会計基準など、身に付けなければならない知識は広範囲に及びます。それらは一朝一夕に身に付けられるものではありません。やはりそれなりに時間をかけてじっくり学ぶ必要があります。そしてそれらはUSCPAの学習全般における基礎となります。ここを飛ばしてしまうとどこかで壁にぶち当たる可能性があります。会計知識なしでも合格できるという方がいますが、私には考えられません。もちろん一部の天才や頭脳明晰な方は会計知識がなくても(というより学習スピードが速いということだと思います)USCPAに合格できるかもしれませんが、大方の方が真似するとつらい思いをすることになるでしょう。

USCPAと簿記の違いは?

USCPA=公認会計士だから、簿記を知らないと試験に臨めないと思っている方がいます。上述のようにそれは本当です。しかし、簿記にはレベルがあり、基礎の部分からマニアックな(?)部分まで非常に幅広いため、一体どこのレベルまで勉強したらUSCPAの学習に移れるか疑問に思うと思います。

もちろん難しい試験対策用の(?)マニアックな仕訳や重箱の隅をつつくような会計基準を勉強することは無駄とは言いません。しかし、USCPAの合格を目標にするならば、そのような細かい知識ははっきり言って不要です。興味があるならUSCPAの合格後に勉強すればいいです。

ちなみに、簿記という話で言えば、恐らく皆さんの共通理解として、「日商簿記検定」のことだと思います。

日商簿記検定とは以下のことを言います。

日商簿記検定(にっしょうぼきけんてい)とは、商工会議所法(昭和28年法律第143号)第9条第9号の規定に基づき日本商工会議所および各地商工会議所が実施する検定試験(商工会議所検定試験)のうち、簿記に関する技能を検定するものを指す。正式名称は「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

分かりますでしょうか。

ポイントは”技能検定”というところです。つまり、簡単に言えば技術の能力を測定する試験ということです。だから実務に特化した試験なのです。簿記を使う労働者が身に付けるべき技術が備わっているかを測定するツールということですね。

もっと簡単に言えば、財務諸表を作る能力を鍛える試験ということです。

簿記を少し勉強した方なら分かると思いますが、簿記というのは全ては財務諸表を作るという作業に収斂します。簿記にレベルがあるのは、おおざっぱに言えば試験に出題される取引内容の種類が多いか少ないか、取引がシンプルか複雑かの違いくらいです。複雑な取引というのは、そのような取引を実行しない会社も多いです。逆にシンプルな取引はほぼどの会社も実行している取引ということになります。つまり基礎ということです。

USCPAはどうでしょうか。アメリカの公認会計士の資格ですが、こちらは財務諸表を作るのではなく、チェックする(監査する)側に立つ資格です。基本的には会社が作った財務諸表をCPAがチェックするという役割分担になりますから、CPAが自ら財務諸表を作成することはありません。

こういう役割分担を考えれば、財務諸表の作成過程はある程度は知っておく必要はあるものの、それ以上に作成された財務諸表をチェックするスキルを身に付けていなければCPAとして活躍できないということになります。ですから、USCPAとしては財務諸表を作成できる能力よりも、その財務諸表がきちんと作成されているのかを分析する能力やそもそもその財務諸表の作成過程が優れているのか改善点があるのかを見極める能力の方がずっと大事なのです。

簿記は財務諸表を作成する能力、USCPAは作成された財務諸表の確からしさをチェックする能力がそれぞれ求められるので、それぞれ別の能力が試されていると認識した方がいいと思います。

USCPAの勉強を始めるベストタイミングは?簿記?BATIC?

USCPAの受験には会計知識は必要。しかし、簿記1級のような複雑でマニアックな(?)取引内容に関する会計知識まで学習する必要はなし。

これが私の経験則での感想です。

従って、私が考えるUSCPAの勉強を開始するタイミングは簿記1級のような知識はなくとも、会計知識の基礎が備わった状態と考えます。

会計知識の基礎という意味では、日商簿記3級レベルの知識で十分でしょう。

日商簿記3級については以下のサイトを参照してください。

会計の基礎という意味では日商簿記3級で十分なのですが、3級は個人事業主をターゲットにしています。いわゆる商店街の八百屋さんや魚屋さんのようなイメージです。

USCPAは株式会社をターゲットにしているでしょうから、そういう意味では日商簿記2級レベルまで学習しておくと、よりスムーズにUSCPAの学習に入れると思います。

ただし、日商簿記2級は3級に少し毛が生えたような内容なので、3級をきちんと学習しておけば、2級を学習しなくとも、USCPAを学習していく中で2級の学習を実施する感覚で必要な知識を学んでいくことは可能です。ただし、USCPAを通して勉強するということは、英語で勉強することになりますから、英語で勉強するのは不安な方や英語での理解スピードに自信がない方は日商簿記2級を勉強してから、USCPAの学習に入ることでも構いません。日本人であれば、やはり日本語で勉強してから英語で”復習”していく方が理解度は上がると思います。

日商簿記2級については以下のサイトを参照してください。

最近ではBATICという簿記を英語で勉強する検定試験も登場していますので、英語で簿記を勉強したいという方はBATICでもOKです。

BATICについては以下のサイトを参照してください。

基礎からじっくり確実に学んでいきたい方は、以下の順にこなすとUSCPAの学習にスムーズに入っていけることでしょう。

日商簿記3級

日商簿記2級

BATIC

USCPA

【まとめ】USCPA受験に会計知識は必要。しかし、マニアックな仕訳よりも大局観を大切に。

いかがでしたでしょうか。USCPAの受験に会計知識が必要ということがお分かり頂けたら幸いです。

USCPAという資格の本質を考えるとよく分かります。USCPAは決して会計マニアを育成したいわけではありません。会計知識は必要だけれども、USCPAはその先を見据えた資格なのです。ぜひ効率的に会計知識を身に付けて、USCPAの勉強にスムーズに移行できるといいですね。

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ABOUT ME
ようちゃん
こんにちは! 本ブログの運営をしているようちゃんです。 学生時代は部活(水泳部)とバイトに明け暮れ、勉強はほったらかし。大学4年生の時に就活しながら1年生と授業を受ける講義もあり、リクルートスーツを身にまとったおっさんは新入生に白い目で見られながらもなんとか卒業にこぎつけた。 英語が好きだったこともあり、将来はなんとなく海外で働いてみたいなあとぼんやり思っていました。 そこで、大手総合商社を中心に、海外駐在できたり、世界を飛び回れる仕事をやらせてもらえそうな会社を選んではひたすら受けまくりました。 運よく海外に拠点を広げ続けている上場企業の商社に入社できました。 入社前の先輩社員との懇談会で台湾やイギリスなどに駐在経験があった社員から海外駐在時の話を聞くことができ、自分も同じようなキャリアを描けるのかもと社会人人生を楽しみにしていました。 しかし、配属先は経理部に。経理なんてなにをする部署なのかもわかっていませんでした。一体いつになったら海外に行けるのか。そんな不安とともに社会人生がスタートしました。 結局新卒から10年ほど上場企業の正社員として経理部で働きました。その間に紆余曲折がありながらもUSCPA(米国公認会計士)のライセンスを取得。 当時の後輩がインドに赴任したことをきっかけにバックオフィス周りの指導やサポートを行っていました。その後輩は営業経験しかないのに、インド法人を丸ごと任されてしまい、営業以外の仕事をどうしたらいいのか困っていました。私は営業はできませんが、経理を中心とした事務系の仕事はある程度アドバイスできました。当時としては大したサポートにはなっていなかったとは思いますが、それでもとても感謝されました。 そこで思いました。 海外に出ている日本人は同じように困っているに違いない。それなら今の会社だけでなく、たくさんの会社をサポートできるかもしれない。 このインドに放り込まれた後輩をサポートしたことがきっかけで、自分の人生設計を見直した結果、上場企業の正社員という安定した地位を捨て、2015年に突然フィリピンに移住し、海外コンサルタントとして働き始めました。給料が日本にいた時の3分の1近くになって嫁に怒られ、嫁ブロックにあいながらも何とか凌いでいます。 私の予想通り、海外に出た日本人の駐在員は困っていました。 そこで海外コンサルタントの出番です。 日本の常識は海外ではなかなか通じません。 とは言っても、日本のやり方でビジネスを進めていく必要がある場面もたくさんあります。 だからこそ海外コンサルタントは必要なのですが、少子化のせいなのか、若者の海外離れのせいなのか、海外コンサルタントは圧倒的に足りません。 あなたのサポートを待っている企業が必ずあるはずです。 本ブログを通じて、少しでも海外コンサルタントに興味を持ってもらい、海外コンサルタントの世界に参加してくれる仲間が増えてくれれば、駐在している国はもちろん、日本も元気を取り戻してくれることと確信しています。 ぜひ仲間になりましょう!