USCPA(米国公認会計士)を取得した人の中には転職して人生変えたいと思っている人もいることでしょう。
実際私もそうでした。
そして人生が変わりました。
しかし、USCPA取得者の中には年齢的に転職できるのか不安に思っている人もいるかもしれません。
転職には年齢制限がある、転職するなら30代中盤までだ、などなどいろいろな噂があります。
もちろんそういう業界、会社はあるでしょう。
社内でのバランスを取らないといけないという内部事情もあるかもしれません。
しかし、私が実際に海外に出てみて、様々な企業の方と触れ合っていく中で分かったことがあります。
それはどの企業も人がいなくて困っているということです。
【結論】実はミドル世代が海外で採用需要あり![USCPAで付加価値]
私が住んでいるフィリピンは日系企業が約1,500社くらい進出しています。
多くはOA機器のセットメーカー、自動車メーカーなどが製造拠点として工場を構えています。
製造業というのは1社では成り立ちませんから、その周辺の部品メーカー、組み立てメーカーはもちろん、それらの物資を運ぶ物流業者、IT業者、社員に食事を提供する飲食業などなど製造業が進出すると様々な業界が潤うのですね。
私はUSCPAとしてフィリピンで会計税務を中心としたコンサルティングを提供して生計を立てていますが、仕事柄様々な日本人の経営者の方と知り合う機会があり、不安や悩みに耳を傾けてきました。
経営者は会社では強気でいなければなりませんからとてもプレッシャーのかかる仕事なんです。
しかし、経営者とはいえ人間です。
誰にも頼れませんから、会社とは無関係な私のような部外者とはフランクに話せるんだと思います。
会社によって色々な悩みはありますが、一番多い悩みが後継者がいないということです。
フィリピンでは大手企業よりも中小零細企業がたくさん進出しています。
大手企業は2~4年くらいの期間でどんどん駐在員が交代していきますが、中小零細企業はそうはいきません。
短くても5年、長い人だと3回目です(通算20年)なんていう人もいます。
会社としては若い人に早く託したいという思いがあり、30代や40代の社員に一度はバトンタッチしてみるものの、海外という環境がつらすぎる、大変すぎるということで続かないそうです。
そして1年や2年程度で本社から「申し訳ないけどあなたの後任は日本に戻すことにした。申し訳ないけどまた行ってくれ」ということで渋々再登板を余儀なくされるのです。
そんなことを数回繰り返しているケースもざらにあり、一度別の環境を体験させるという意味でフィリピンからインドネシアに移り、数年後にまたフィリピンに戻されるというツワモノもいます。
フィリピンに駐在している日本人はそんなふうに「3か国目です」などどいった海外を転々としている経営者が多くいます。
結局若い人は選択肢は多いし、あまりつらい経験をしたことがないので海外のような過酷な環境ではどうしても続かないようです。
そんなことを繰り返していると本当に代えが利かなくなり、結果的に20年選手が育ってしまうのです。
さすがに20年も続けた人の会社を引き継ぐのは容易ではありません。
こうして中小零細企業は人材不足が継続するのです。
ということで、私の知り合いの経営者は40代では若い方です。
50代後半から70代の経営者がたくさんいます。
海外では年齢は関係ありませんから、私も人生の大先輩である60代、70代の駐在員と一緒にゴルフしたりお酒を飲んだりして遊んでいます。
自分の父親よりも年上の人と一緒にいる機会も多いですからなんとも不思議な感覚です。
中小零細企業の人材不足は本当に深刻です。
これを穴埋めできる救世主がミドル世代だと私は考えています。
特に東南アジアではやはりアジアらしく、年上の方を敬う文化がありますから、年を取っていることが無条件にアドバンテージになるのです。
こう考えると、50代以上の方で海外で働いてみたいと思う方は結構需要があると思います。
多少英語で会話する必要が出てきますがすぐに慣れます。
仕事で使う英語なんてパターン化されています。
なによりもしUSCPAを持っている方であれば英語アレルギーということはないでしょう。
そのうえ会計や税務などビジネスに必要なことは一通り勉強しているはずですから、あとは実践で磨いていけばいいだけです。
ミドル世代の方で人生海外で一度は働いてみたいという方はぜひ思い切って飛び込んでみてください。
きっと人生変わりますよ。
【理由】海外で働ける日本人が少ない!駐在員は長期化傾向
上記にほとんど書いてしまいましたが、今の日本人は内向きのようです。
もちろん個人差はあるのでしょうが、傾向としては日本から出たくないという方が多いみたいです。
完全に時代と逆行しているのですが、そのせいなのか駐在員は長期滞在化の傾向だそうです。
これは日系企業の危機です。
人は必ず年を取ります。
しかし人はそんなにすぐに育ったりしません。
一人前の経営者を育てるのに5年以上はかかります。
そうなれば引継ぎ期間にそれなりの時間をかける必要がありますから、早く後任を採用して育てていかなければ企業が持たないのです。
ところが日本は少子高齢化でそもそも人が少ない上に、海外で働きたいと思う人が少ないために中々後任が見つからないのです。
従って一人のベテラン社員が何年間もその国に張り付きになり、その道のプロになってしまうのです。
プロと聞くと聞こえはいいですが、逆に言えば他の人に切り替えるチャンスを失っているということなのです。
会社としては一人の人が続けた方が安定しますから経営的にはいいのかもしれませんが、新陳代謝が無くなりますから全体効率からしたらあまりいいとは言えません。
そういう意味では本社は人は代えたいけれど代えられる人がいないから仕方なく継続しているというのが本音でしょう。
人で困っていない会社の方が少ないですから、働くチャンスは思っている以上にあると考えて差し支えありません。
年齢よりもやる気・気合いが重視されている
日系企業は後継者がいなくて悩んでいるというのはお分かり頂けたと思います。
何年も駐在しているということは長く続けてきた企業ということですから会社としての基盤はできているということです。
従って大方のことについてはそれほど悩まなくても現場のスタッフたちで業務は回るようになっています。
そうなると経営者の仕事は一つだけです。
トラブル解決、この仕事に尽きます。
しかし、トラブルって嫌ですよね。
そもそも後ろ向きにならざるを得ない、気が滅入るような仕事ですから誰もやりたいと思う人はいません。
ですが、トラブルがなければ社長の仕事はありませんから、トラブル解決ができないのであれば経営者の能力の発揮どころがありません。
私が考えるに、これが新しい人が続かない原因です。
単純にトラブル解決はしんどいからです。
ただ、トラブルなんてパターンがあります。
だからそのパターンを経験してしまえば大体どうやって解決したらいいかわかるようになるわけです。
ということは何より大事なことは仕事を続けるということです。
正直難しい専門的な能力よりも大事だと思います。
人はそれぞれ得意・不得意がありますし、成長スピードには個人差はあります。
しかし、継続することでこれらの差異が解消されていくんです。
人によって3年でできる人もいれば5年かかる人もいることでしょう。
しかしいつか同じレベルまで到達します。
ここまで続けられるかどうかがすべてです。
多くの方はこの手前でやめてしまうんです。
ということで、能力があってもやる気がなければ続かないのです。
続けてもらうことが何よりも求められるということです。
こういった意味では、忍耐強く、続けることに慣れているミドル世代の方は非常に強力な助っ人になる可能性があるということです。
まとめ:海外で長期間働けるミドル世代は最強です!
転職は若い人のみとか海外に行くなら20代じゃないとダメなど何かと若い方にフォーカスした宣伝が多い気がしますが、実際に求人を探している企業は若いというよりも、継続的にどっしり構えて仕事をしてくれる人を探しているのです。
なぜなら継続しないと絶対にできるようにはならない=戦力にならないからです。
そういう意味では、腹の座ったミドル世代、ある程度大変な経験を積んできた世代というのは大いに魅力的な人材なのです。
人生一度は海外で働いてみたいという方はぜひその気持ちを大切に海外就職・海外転職への扉を開いてみてほしいです。きっと人生変わりますよ。
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